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異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~  作者: やとり
第一章 知り合いが どんどん増える 一週間
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第2話 主人公はチートを手に入れた!

 西洋風な教会の中に転移された俺は、目の前に現れた天使に応接室のような部屋に連れていかれた。

 

 道中、「すみません、つい、またぶぶ漬けを勧めてしまいました」と謝罪された。実はぶぶ漬けが好きだったりするのだろうか?



 部屋に着くと着席を促され、彼女も対面に座った。


「すぐに再会した理由なのですが、あなたの転移先が私の担当する教会に指定されたようです」


「担当? 指定? どういうこと?」


「そうですね、何から説明しましょうか……」


 彼女によると、天使たちは存在を偽り、創造神からの神託を受けたり交信する技能を持った巫女ということになっているらしい。

 彼女たちは、総本山である大聖堂から派遣されたという形で、それぞれ主要な教会を担当してる、ということみたいだ。

 そして俺の転移先だが、なんと創造神がサイコロを振って決めたらしい(神がサイコロを振った!)。


「というか自己紹介をしてなかったな。俺の名前は仲吉なかよし 百人はくと、こっちの世界だとハクトって呼んでもらえばいいのかな? それと、年齢は21歳」


「そうでしたね。私はソフィアという名前を与えられています。年齢は……。おっと、自然な流れで女性に年齢を聞き出そうとするとは、やりますね」


「そんな意図まったくないからね!?」


 完全な誤解である。


「ただ、創造神様に作られてから長い時間が経っているので、何歳になるのか忘れてしまいましたが」


「そうなのね……。ってそうだ! 転移されるギリギリになって調整がどうとか言っていたが、ちゃんと教えてくれ」


 確かこちらの世界にいても大丈夫なように調整されるとか、何やらチートがどうとか言っていたような……。


「ああ、漫画に意識が向いていたため言い忘れてしまい、最後に説明した部分ですね」


「言い忘れとかいっちゃったよ、おい」


 やはりこの天使、ソフィアはどこか抜けているようだ。


「簡単に言いますと、会話に困らないよう、こちらの言葉が分かるようにすること、この世界に存在する魔力に順応できる身体にすること、ですね。その際に特殊な技能に目覚めるのですが、ハクトさんの場合は、魔力に対しての適性がとても高くなっています。とはいえ、魔法を使うためには魔力の感覚をつかむ練習など必要ですが」


「おおう、めちゃくちゃチートっぽそう……」


「異世界ファンタジーの作品でよくある表現で言いますと、読み書きが可能なタイプの翻訳ほんやくスキル、最高レベルの魔力適正、魔力操作のスキル持ち、MPがほぼ無限、といったところでしょうか。様々な漫画を読んでいたことが役に立ちましたね」


 どことなく得意げなソフィアを横目にしながら、少し考えてみるか。


 まず、異世界でよくある翻訳スキル。

 まあこの世界はスキルが存在するわけではなさそうだが、これでこちらでの読み書きには苦労しなさそうで助かる。


 次に、魔力に対する適性がすごく高い。

 ソフィアが例に挙げた、最高レベルの魔力適正や魔力操作というスキルから、少しの練習とかで魔法が使えるようになるのだろうか。

 そしてMPがほぼ無限、つまり魔力が使い放題ということだ。


 正直チートすぎてドン引きしているが、こちらで生活していくうえで、使えるに越したことはないと思っておくか。


「チートとかじゃなく、普通に魔法が使えるくらいが良かったな……。まあともあれ、魔法が使えるってのは便利そうだ。教えてもらえれば使えるようになるのかな?」


「そうですね。魔力の使い方に関しては、また後日時間をとって行いましょう」


 そして、この世界や、俺が現在いる国である、ウィズダム王国の常識について簡単に教わった。

 この世界では、今俺がいるところを人間界と呼び、さっきまでいた天界と、魔族の住む魔界が存在するらしい。


 とても少ない確率とはいえ、たまに異世界から人が迷い込んでくることがあり、地球の文化や知識が持ち込まれているようだ。

 とはいえ希少なことには変わりなく、自ら異世界人と名乗るようであれば、


「私が突然そう言われたら気の毒そうな顔をしますね」


 とのことだった。気の毒って、おい。


 また、あちらとこちらの時間の流れは全く違うようで、そこそこ最近の知識も持ち込まれているようだ。

 いわゆる現代知識チートで無双してやるぜ! みたいなのは難しそうかな?


 それと、今まではいなかったが、現代知識で兵器を作ってやるぜ! のようにあまりにも危険な事をやらかしそうであればすぐに封印され、準備が整い次第、元の世界に強制送還されるらしい。


 異世界系によく出てくる魔物や各種ギルド等も存在しており、ソフィアが今まで読んできた物語を例にいろいろ説明してもらえた。

 彼女の表情変化は小さいのだが、やはり説明後の表情はどことなく得意げだった。


 それと、帰るまでの半年間、この教会のすぐ横にある巡礼者用の宿泊所に泊まって大丈夫だそうだ。

 転移の魔法などがあるため、すべての部屋が埋まるということはあまりないらしい。



「とりあえず以上で簡単な説明は終わりです。夜間は天界にいますが、日中はこの部屋で仕事をしています。何かわからないことがあれば、その都度つど聞いていただけたらと思います。さて、時間も遅くなりましたので、残りの詳しい説明は明日以降改めて行いますね。では宿泊所に案内しましょうか」


 外に出ると既に日が沈んでいた。

 夕食をどうしようかと思ったが、ソフィアが宿泊所の調理場で食事を作ってくれることになった。

 ちなみに食材は、漫画を出した時と同じように、何もない空間から取り出していた(空間魔法らしい)。


「たびたび漫画のレシピを参考にして食事を作ってます。天使に食事は必ずしも必要ではありませんが」


 とのことで、少し心配したけど普通においしかったです。

 完成した料理はぶぶ漬け! なんてオチはなく、鉄板ナポリタンだった。

 パンツァー・フォー!



 食事を終え、片付けが済んだ後


「それではまた明日。いろいろと必要なものもあるでしょうし、まずは街を案内しましょうか」


 と明日の予定を言うと天界に帰って行った。


 さて、これから半年どう過ごしていくかな、と考えながらベッドで寝っ転がっていたが、いろいろ疲れていたようで気づけば寝てしまっていた。

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