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異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~  作者: やとり
第六章 初めての 異世界旅行は エルフ村

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第97話 みんなでお茶かい?

 結構似た部分があるから忘れがちだけど、やっぱり常識の違いがある、って事を再認識した。


 ……そして、リューナから、事前にお伝えすべきでした、大変申し訳ございません、と謝られてしまった。

 いや、異世界の常識なんて知る機会はほぼないだろうし、これは仕方ないと思う。


 それと、交通機関の話をしていて、ふと蒸気機関とかは異世界からは誰も伝えなかったのかな? なんて思ったけど、ベイラに聞くのはやめておいた。

 もしも知らなかった場合、確実にベイラの興味を引くだろうからな。


 それに、元いた世界では産業革命をもたらした要因だったはずだし、ソフィアに確認をした方がいいだろう。



 さて、気を取り直してし、さっそくエルフの村を観光しようか。


 なんて思っていたら、リーンという音が俺のリンフォンから鳴った。

 ……これから観光って時に、ちょっと不穏だ。


 誰からだろうと確認すると、まさかの神様からだった。

 ……このタイミングで神様からなんて、すごく見たくないんだけど。


 そう思いつつも、そう言っていられない内容かもしれないし、皆に断りつつ急いで確認してみることにした。


『観光に集中できないかもしれないから、伝えておこうかと思ってね。蒸気機関に関しては、誰かに伝えても問題ないよ。ただ、それを実現しようとすると大変な事になるだろうね。……もちろん、ハクト君が』


 俺かい!

 ……危ない、思わず声に出しそうだった。


 というか、神様は俺の様子を見ていたのね。

 ……なんでこのタイミングなんだろう?


 なんて思ったら、


『ハクト君がソフィアの近くにいなかったからね。気になって様子を伺ってみれば、エルフの村で観光をしているじゃないか。面白、ではなく、異世界から来た君がどんなことをするのか気になってね。せっかくなので観察させてもらった、というわけさ。ああ、もちろん、プライベートな部分まで見るつもりはないので、そこは安心してくれたまえ』


 と、どこか言い訳じみた感じの内容が帰って来た。

 ……まあ、いいけどさ。


 さて、本当に気を取り直して、観光をしていこう!

 まあ、行き先は全部ディニエルにお任せなんだけどな。



 というわけで、ディニエルの案内で次に向かったのは、


「お茶屋さん、だよな?」


 和風な感じの(たたず)まいをした、木造の建物だった。

 俺の言葉にディニエルが頷きつつ、


「東方から伝わった。かなり昔。おすすめ」


 と紹介してくれた。


「んじゃ、とりあえず店に入ろうぜ。会話はお茶を飲みながらでもできるしな」


 とのベイラの声に、全員でさっそく中に入ることにした。



 中もやっぱり和風な感じで、小上がりの畳になっていた。

 それじゃさっそく上がるかなと思い、靴を脱いで、横に備え付けてあった靴箱にしまった。


 そしてふと振り返ると、何故かディニエルが硬直していた。

 ……え、どうした?


「何故知ってる? 旅行の経験、無いと言った」


 ……あー。

 そういえば、前にアキナでもあったな。


「えっとな。この国の東方の文化と、俺が元居た国の文化が結構似通っているんだ。だから、ここでは靴を脱ぐんだろうなって思ってな。靴箱もあったし」


「納得。だけど不思議」


 本当にな。


「んじゃ、あたしも脱いて上がるか。……なんだか、変な感じだな」


「私も、初めて畳に上がった時は不思議な感覚がしました。ですが、この柔らかさに慣れてきますと、歩き心地が良く思えてきました」


「……言われてみれば、そうかもな。うん、こういうのも悪くはないな」


 確か、魔皇の城に和室があるって言っていたし、リューナはそこで体験したんだろうな。

 ……ハヤテとかが、よく寝っ転がってたりして。


 とりあえず皆で座布団に座り、さっそく注文することにした。


「お茶と和菓子。セットがおすすめ」


 というディニエルの言葉に、じゃあそれにしようかな、と思いつつメニューを見てみた。

 ……ん?


「なあ、ディニエル。お茶の名前が世界樹茶ってなってるけど、これってもしかして……」


「世界樹の若葉。乾燥したもの」


 ……流石は、世界樹のある村だな。


 結局、ディニエル以外はお茶と和菓子のセット。

 ディニエルは抹茶ぜんざいを頼んでいた。

 ……そんなのもあるのね。


 ちなみに、使われている抹茶も世界樹から作られているみたいだ。


 ディニエルが席にあるベルを鳴らすと、女性のエルフが注文を取りに来てくれた。

 それにしても、この村に来て多くのエルフを見たが、どのエルフも整った容姿をしていたな。

 もちろん、この店員さんもだ。


「あらディニエルちゃん、いらっしゃい。他の三人はお友達かい? あら、やっぱりそうなのね。それじゃ、ちょっとサービスしようかねぇ。あ、注文を聞かなくっちゃだったわ」


 ……喋り方が完全におばちゃんだった。

 見た目が若く見えるから、なんというか違和感がすごいな。


 というか、ディニエルはかなり常連って感じだな。

 もしかして、ここ出身だったりするのかな?


 注文が終わり、店員さんが離れたタイミングで、さっそく聞いてみることにした。


「なあ、ディニエル。もしかして出身がこの村だったりするのか? さっきの店員さんとも親し気だったし」


「出身は違う。月に一回来る。落ち着く」


 なるほど。

 それと、落ち着くって言うのは、俺もこの村に来て最初に思った。


 月に一回ってほどじゃないけど、定期的に通いたくなる気持ちはわかるな。

 そういった所も、有名な観光地になった理由なのかもな。


「こちらも質問。異世界に興味ある。特に服」


 ……洋服か。

 あんまりこだわりはなかったから、着心地がよかったり、見た目が気に入ったものを買ってるくらいなんだよな。


「あー。服に関しては、そんなに詳しくないんだ。こんな見た目の服がある、くらいなら説明できるんだけど」


「問題ない。魔道具で共有する」


 ……五感を共有する魔道具(れいのやつ)か。


「えっと。それはいいんだけど、観光が終わった後でもいいか? 異世界についての質問も含めてな」


 これを使う時って、結構集中する必要があるからな。

 それに、短い時間じゃ終わらなさそうだ。


「わかった。楽しみ」


「私も、異世界に関して興味があります。先ほどのような失態をなくすため、ハクト様のいた世界の様々な事について知っておきたいです」


 ……リューナは、さっきのことをまだ気にしているみたいだな。

 というか、今回の旅行はリューナに丸投げだったし、俺ももう少し色々と聞いておくべきだったかもしれない。



 そんな感じで会話をしていると、注文した商品が運ばれてきた。


 お茶の色は、見慣れたものより少し青みがかってる、かな?


 さて、まずは一口と飲んでみると、あまり苦味や渋味は感じられず、それでいてコクと甘味があった。

 それに加え、強い旨味のようなものも感じた。


 口当たりもまろやかで、香りもすごくよかった。


 ……これは、今まで飲んだお茶の中で一番おいしいかもしれない。


 他の二人も驚いたようで、お茶を見つめたり、うまいな……、なんて思わず口にだしていた。


 さて、次は和菓子も食べてみるか。

 見た感じは、大福っぽいな。


 食べてみると、見た目通りの大福だった。


 味は甘さが控えめになっていて、お茶の苦味が少ない分そうしてるのかな? なんて思えた。


 それと確かめるべく、再度お茶を飲んでみると、大福の控えめな甘さがお茶の旨味を引き出し、さらにおいしかった。

 そうしてお茶と大福を交互に食べ進めていくうち、あっという間に無くなってしまった。


 その後、全員が食べ終わったタイミングで、サービスとして小盛のお茶漬けを持ってきてくれた。

 ……帰れ、って意味ではない、はずだ。


 こっちは、よりお茶の旨味が感じられたし、甘い物の後ということもあってか、よりおいしくいただけた気がするな。

 ごちそうさまでした。


 うん、連れてきてくれたディニエルには感謝だな。

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