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異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~  作者: やとり
第六章 初めての 異世界旅行は エルフ村

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第96話 またしても何も知らない主人公さん

 その後、観光地となっているエルフの村について聞こうとしたが、


「せっかくだし、あんまり情報がない状態でいくのもいいんじゃないかしら?」


 というアキナの一言により、あえてほとんど何も知らない状態で行くことになった。

 それと、


「ただ、案内がディニエルっていうのはちょっと不安になるぜ。……よし! せっかくだし、あたしもついていっていいか?」


 ということで、ベイラも同行してくれることになった。



 その後は、せっかくだしリューナやディニエルと交流を深めよう、という流れになった。


 ちなみにディニエルは、ベイラの他にはアキナとは顔見知り、その他の人とは初対面みたいのようだった。


 ユズが、こんなこともあろうかと! と、収納用の魔道具から取り出した遊び道具で楽しんだり、それぞれが聞いてみたいことを聞いてみたりと、そんな感じで時間が過ぎていった。


 ディニエルに、どういった感じの服をよく作っているのか、と聞いてみると


「思いついた服。後は注文された服」


 とのことだった。

 ……やっぱり、イズレの娘って感じがするな。


 他にも、どうやって服を作っているのか、という質問には、


「裁縫用の魔法。便利」


 と答えたと思うと、おもむろに魔道具から糸と生地を取り出し、あっという間に刺繍が施されたハンカチを作成した。

 やっぱり、魔法って便利だ、なんて思っていると


「すごい技量ですね……。どれほど練習すれば、私もあの速度でできるでしょうか……?」


 なんて、リューナがつぶやいているのが聞こえた。 

 なるほど、ディニエルがすごいだけのパターンだったか。


 他にも、ユズがリューナからハヤテについての話を聞いた場面もあり、解答を聞いたユズは


「……おかしい。私の知っているハヤテちゃんと違う」


 なんて言っていた。

 ……まあ、あくまでリューナから見た視点だからな。


 ちなみにリューナは、お城のメイドさんに色々と聞いてみたかったようで、メアリさんにいくつも質問をしていた。



 そして二日後、エルフの村に行く日になった。

 集合場所は、転移門のある広場だ。


 なお、色々な準備はリューナが、一晩どころか一時間もかからずにやってくれました。

 今日の転移門の利用料は、親善大使としての経費になりますね、みたいな感じで、色々といい感じにやってくれているみたいだ。


 ……というか、リューナを雇ってから、彼女に色々と頼りきりになってる気がする。

 このままだと、リューナがいないと何もできなくなる、なんてことになりそうだ。


 ……うん。

 リューナに見捨てられないように頑張ろう。


 それに、今日は観光を楽しまないとな。


 考えてみれば、異世界と言えばエルフ。

 エルフと言えば異世界だもんな。(※個人の意見です)


 異世界っぽい光景が見られたり、その中で色々な体験ができそうだし、とっても楽しみだな。


 そして、ほぼ時間通りに全員が集合し、いつの間にかリューナが転移門で使う切符の購入を済ませていた。

 ということで、さっそくエルフの村へと転移した。



 転移門を潜りぬけると……、


「おお……。これは、ちょっとすごいな」


 周囲は森に囲まれ、その中心にはいくつもの木造の家が並んでいた。

 しかもその家々は、地面だけではなく木の上にまで存在していた。

 

 そして少し遠くに目をやると、とても巨大な樹木が見えた。

 ……もしかして、あれが世界樹だったりするのだろうか。


 それと、心なしか空気が澄んでいる気がする。

 自然の中だし、マイナスイオンが多くあるからかな?


 ……ここは異世界だし、いわゆるマイナス魔力っていうものが存在するのだろうか。

 まあ、流石にそんなわけないか。


 なんて思っていると、


「流石は観光地と言えばよいのでしょうか。素晴らしい光景ですね。それと、なんとなくなのですが、ここは魔力の質が違う気がしますね。なんといいますか、より身体に馴染むといいますか、少々表現が難しいですね」


 と、リューナが言っていた。

 ……マイナス魔力、本当にあるのかもしれない。


「……感動しているところ悪いんだが、ディニエルがあっちに歩いて行っちまってるんだ。とりあえず、追いかけないか?」


 ……本当だ。

 ベイラに言われなければ気づかなかった。


 すぐにディニエルを追いかけ、


「ディニエル! どこか行くなら、まずは声をかけないと見失っちまうじゃんか」


「問題ない。手続きをするだけ」


「あー。つまり、みんなが景色を見ているあいだに、手続きをやっといてくれるつもりだったのか?」


 ベイラがそう聞くと、ディニエルはこくんとうなずいた。


「それはありがたいんだがなぁ。けどその前に、あたしたちに一声かけてくれな」


「わかった。気をつける」


 ……なんというか、ベイラがディニエルの保護者みたいだな。


「それで、何の手続きをしようとしたんだ?」


 そもそも何の手続きなのかわからないため、とりあえずディニエルに聞いてみた。

 ……ほとんど何の情報もなく、ここに来たからな。


「世界樹の新芽狩り。予約が必要。取れたてがおいしい」


 ……それって、俺のいた世界であった、いちご狩りみたいなやつなのか?


「まあ、ここに来たらな一度は食べないとだしな。あたしも食べたことがないし、楽しみにしてるぜ」


「私は、ハヤテさんからとてもおいしかったと聞きました。国王にお願いして食べに行った、とも言っていましたね。……実は私も、その話を聞いて楽しみにしていました」


「とてもおいしい。絶対に食べるべき」


 ……神様からもらって食べたことがある、とは言いだしずらい雰囲気だな。


「というか、世界樹の新芽ってそんな感じで扱って大丈夫なのか? 色んな人が取ったらなくなっちゃいそうだけど」


「世界樹は特別。すぐに生えてくる。ここの魔力のおかげ。持ち出すと枯れる」


 やっぱり、特殊な魔力に満ちている地なんだな。

 それと、前にソフィアから魔力を()めていないと(しお)れる、って話を聞いたけど、特殊な魔力が満ちているこの地であれば大丈夫、って感じなんだろう。


「予約してくる。待ってて」


 俺がソフィアから聞いた話を思い出していると、ディニエルが予約の手続きをしにいってくれた。

 今回は、ちゃんと俺たちに声を掛けていったな。



 三人で軽く雑談しつつ待っていると、ディニエルが戻って来た。


「予約できた」


 お、無事予約できたみたいだな。


「それで、何時から参加するんだ?」


「お昼前。明日の」


 ……え?

 今、明日って言った?


「あ、明日? ……俺は明日も予定がないからいいけど、他の皆は大丈夫なのか?」


 と、二人に聞いてみたところ、


「ん? そりゃあ観光に来たんだし、何日か予定は空けておくのが普通じゃんか」


「そうですね。ただ、転移を使える方であればその日に帰る、といった方もいらっしゃいますが。それに、こちらは転移門もすぐ近くにありますので、それも可能ですね」


「あー、確かにそうだな。せっかく観光に来たのに、それももったいない気もするけどな。……もしかしてハクトは、その日に帰る予定だったのか?」


 ……これが、ジェネレーション、ではなく、異世界ギャップとでもいうやつか。


「あー。俺の世界では、交通網がかなり発展していてな。ええと、なんて説明したらいいか……」


 この世界の移動手段についてベイラから聞きつつ、俺のいた世界での交通手段について説明した。


 ベイラから聞いた話では、この世界で長距離を移動する場合は、馬車や、一部の温厚な魔物が引く魔物車という乗り物を利用するみたいだ。

 ……そういえば、転移門の近くに馬車が止まっている建物を見た気がするな。


 とはいえ、主要な都市には転移門が設置されているため、主に利用するのは都市部以外の町や村への移動の時らしい。

 もちろん、その移動には時間がかかるため、馬車などを利用する場合は、少なくとも二日は予定を空けておく、というのが常識のようだ。

 そして、観光地というのは都市部から離れていることが多く、観光に行く、イコール二日以上は空ける、というのがこの世界の常識となっているらしい。


 魔道具で作られた馬車、魔道車というものもあるみたいだが、それ自体が高級で、魔石も大量に使うために一部のお金持ちが持っているくらいのようだ。


 ……蒸気機関とかは、異世界からは誰も伝えなかったのかな?

 後でソフィアにでも聞いてみようかな。


 ……ベイラやアオイの方が適任かもだけど、知らなかった時が大変そうだからな。

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