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人狼転生 ~ 魔王直属の忍者部隊を辞めた俺はスローライフをおくりたいのに周りが放っておいてくれない件 ~  作者: マーシー・ザ・トマホーク


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冒険者ギルド

 冒険者たちもよく見かける。冒険者の種族は様々だ。

 ごく稀にエルフも見かけたりする。

 エルフを見ると、その気品ある雰囲気と美貌から、掃き溜めに鶴といった印象を持ってしまうのは仕方ないのかもしれない。要するに浮いている感じがするのだ。

 余計なお世話だろうが。


 それに冒険者ギルドといえど、ギルドの雰囲気はとても洗練されているとは言い難い。

 なにせ自分の腕だけが頼りの腕自慢たちが集まっているのだから、その雰囲気は推して知るべしだろう。

 それでもギルドマスターのグリンゴが眼を光らせているので、些細なケンカはあっても犯罪を犯すような愚か者はほとんどいない。

 どちらかと言うと、市民たちの味方となって、ギャング達の無法から助けている冒険者も多いのだ。


 歩きながら行先を考えていた俺は、まず冒険者ギルドのグリンゴを尋ねてみることに決めた。


 冒険者ギルドは街の真ん中の一等地に建っている。

 石造りの地上四階、地下二階の堂々たる要塞のような建物だ。


 実際にダンジョンの魔物が溢れた時には、要塞として使用できるように設計されていると聞いた。

 現実には、大戦時に魔王軍が押し寄せた時や、ギャング達の抗争時に要塞として役立ったようだが。


 入り口の重厚な扉は開かれていて、中に入ると広々としたロビーに冒険者たちが蠢いていた。


 ロビーに隣接した飲食コーナーでは、ダンジョン帰りなのか、昼間から酒を飲んでいる奴らもたくさんいるようで姦しい。

 俺は受付窓口まで歩いていくと、笑顔で迎えてくれた受付嬢に、自分では魅力的だと思っている微笑みを返す。

 

「ようこそ、冒険者ギルドへ。ご用件を窺います」

「やあ、初めましてお嬢さん。お手数だが、ギルドマスターのグリンゴに取次いでくれないか」

「面会のご予約がおありですか?」

「いや、予約は無いな。リュカが来たと言ってくれれば伝わると思う」

「ギルドマスターの都合を聞いて参りますので、少々お待ちくださいませ」

「ありがとう。よろしく頼むよ」


 

 笑顔で応対してくれた受付嬢に手を振り、どこかベンチにでも座って待っていようと踵を返すと、目の前に肉の壁があった。


 上を見上げると、身長2メートルを軽く超える筋肉ダルマが、仁王のような面相で俺を見下ろしていた。


「お前、ギルマスに何の用だ?」


 筋肉ダルマは浅黒い肌と筋肉が自慢なのか、上半身は裸の上に革のベストを着ているだけだ。ズボンはゆったりした造りに足首で締まっだデザインなので、前世の記憶にあるアラビアンナイトの魔法使いみたいに見える。


 そう思ってしげしげと眺めると、頭も後ろでひっつめた丁髷(ちょんまげ)みたいな髪型だし、鼻髭をたくわえた顔立ちは、何処かで見たことがあるような気がする。

 あれはたしか、肌の色が青かったような・・・・・・。


「なあ、あんた、ひょっとして名前をジー〇ーって言わないか?」

「あん? 何の話だ? この"鬼殺しのダイス"様を知らないのか。見かけねえツラだと思ったが、さてはてめえモグリだな」

 

 筋肉ダルマが両手を腰に当てたまま、筋肉に力を入れて胸筋をモリッと膨らませると、コブラのように俺に威嚇してくる。


「モグリって、最近聞かねぇな。何がモグリか知らんが、俺が冒険者かどうかというなら、冒険者じゃないよ。で、俺になんか用かい?」

「冒険者でもない奴が、ギルマスに何の用だ? 怪しいのがウロウロしてるんじゃねぇよ」

「俺はグリンゴの古い知り合いなんだよ。なんなら、本人に聞いてみるといい」

「こんな事でギルマスを煩わす必要はねぇよ。テメェはどこか胡散臭え。優しく言っているうちに消えな」

「そう言う訳にはいかないんだ。俺も大事な用があるんでな。呼ばれるまでベンチに座って待っときたいんで、失礼するよ」

「待て! この野郎!」


 筋肉ダルマはベンチへ向かおうとする俺を、行かせまいと太い腕で力任せに俺の肩を掴んできたが、止まりもせず俺が歩き続けたものだから、たたらを踏んで肩を掴んだまま俺の後ろをついて歩く形になってしまう。


「ん? お前も座りたいのか?」

「テメェ! なめてんじゃねぇぞ!」


 怒りと羞恥で顔を真っ赤にした筋肉ダルマが、俺の歩みを止めようと全力で抵抗しても、ズルズルと引きずられてしまっている。

 ベンチに着いたので、俺は肩に置かれた筋肉ダルマの腕を取ると、手首の内側にあるツボを強く押した。

「あっ・・・・・・」

 

 筋肉ダルマが痛みで跪き(ひざまづき)そうになったので、くるっと体を入れ替えて、ベンチに座らせる。

 続いて俺も隣に座ると、カッとなって反射的に立ち上がろうとした筋肉ダルマの太腿の中ほどにあるツボを、今度は手刀の先で突く。

 こういった人間のツボを攻撃することで、相手を無力化させる方法は虎鳴流の教えの一つだ。


「!!ッ・・・・・・」

 今度は痛みで声も出せず、ベンチに座ったまま背を丸めてしまった筋肉ダルマを放置すると、俺はベンチに座ったまま大人しく受付嬢に呼ばれるのを待つことにした。

【作者からのお願い】


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