交換日記
しレーっと渡したノートは、しレーっとオレの元へと次の日かえってきた。
きっとさ…何事もなかったかのようにそのままでかえってきたのだろう。
まぁ…いいさ。
そう思って家に帰ってからベッドにゴロンと転がってノートをパラっとめくると…
‼︎
オレは思わず飛び起きた。
何度もこのベッドから起き上がるけど、こんなにバネでもついたかってくらい跳ね起きたのは、はじめてだ。
なんならいつもこのくらいの跳ね起き方なら一瞬で目が覚めるだろうに。
ってさ、そうじゃなくてね⁉︎
ね⁉︎
ノート‼︎交換日記よ‼︎
まさかまさかのお返事が来ているじゃございませんかっ!
あぁ、ダメ元でかいてみてよかった〜。
で、なんてかいてあるのかなぁと見てみると、、、、、
…
え…?
な、なんか一ページぎっしりと文字が…かき込まれているよ。
まずは、自己紹介…
そして誕生日にはじまり性別年齢住所…
個人情報…多すぎッ!
ちなみに将来の夢なんてのも書いてある。
瀬伶菜の夢か…聞いたことなかったな。
どれどれ、瀬伶菜の夢は…幼稚園の先生かぁ。
子ども好きなんだな。
それにしても、とても情報量が多いノート…
これは絶対に無くしてはならない。
こんなに薄い、ただのノートがとても重たいものへと変化するなんてだれが予想したことでしょう。
でも、嬉しいなぁ。まさか本当に返事が来るなんてなぁ。
あ、最後に一言だけ言いたいってかいてある。
なんだろうかと読んでみると、
最近日が暮れるの早いよね。
だった。
…
あぁ、なんで一緒に帰るようになったのかわかったわ…。
一人で帰るのが怖いから最近オレと帰るようになったのか。
…でもさ、暗闇で前髪の長いあなたに遭遇する方が怖いからって内心思ったのであります。
それからというもの、オレたちは交換日記を続けることとなった。
あぁ〜、ノートが返ってくるのがとても楽しみだ。たまに絵も書いてあったりする。
実は瀬伶菜は、隠れ美人なだけではなくて、絵も上手なのである。
まぁ、独特な絵なんだけどね…。
そこがキモ可愛くてオレはいいと思うけど、やっぱりそんな絵は、なかなかお披露目するところもないから、オレがいつも褒めてあげている。
これからは、この日記にそんな絵をたくさんかいてくれればノートさんも喜ぶだろう。
まぁ、一番楽しみにしているのはノートさんじゃなくて、オレだけどね。
続く。