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73_飛べない?

「それもわからないです。なんだかわからない事ばかりでごめんなさい。人が呪っている場合にも、考えられる状況がいくつかありそうです。まずは、自分への影響を理解していない無知な人からの呪い。次に、自分への影響をかえり見ず、ただひたすらに相手を呪いたいという強い怨念をもった人の呪い。それと3つ目は、しっかり呪いを研究して、返される呪いへの対策まで行った人からの呪い。この3番目に関しては、恨みを持った本人であるとは必ずしも限らず、陰陽師などの専門家に呪いを依頼している場合などもあります。最近では、呪い屋という商売なんかもあったりするみたいですね。」

「うわぁ、いわゆるプロが呪ってる可能性もあるって事なんだ。それだと厄介そうだね。」

「そうですね。そういう人たちに狙われていたとすると、普通はかなり大変ですよね。普通は呪われてる側も陰陽師とか、お坊さんとか、神社の神主さんなんかに頼まないと無理ですよね。」

「あぁ、確かにそうなると、みずちの妖である滝井さんでは、陰陽師とかお坊さんとか神主さんなんかには依頼しにくいのか。風音さんが最初から味方についてくれて本当に良かった。」

「いやいやいやいや、何言ってるんですか琥太郎先輩。私なんて陰陽師の見習いを落ちこぼれた位なんですから、そんなプロ相手に大した事なんて出来ないですよ。私なんかよりも、琥太郎先輩がいるじゃないですか。一応陰陽師の修行をした経験からしても、琥太郎先輩の能力とか存在って完全に反則ですよ。チートですチート。」

「う~ん、そうなのかなぁ。」


 風音さんはそう言ってくれているが、もしも滝井さんを呪っているのが陰陽師やお坊さんや神主さんなんかだったとして、そんな人たちを相手に琥太郎も何を出来るのかよくわからない。相手が妖であれば多少は経験しているのでそれほど怖い感じもしないが、相手が人間となると、むしろその方が怖い。出来る事なら関わりたくないところだが、お世話になっている滝井さんの事なので、そうも言っていられなそうだ。


「そういえば、滝井さんには誰かに呪われるような心当たりってないんですか。」

「そうですね。もちろん関わりのある全ての人に好かれているなんて思ってはいないですけど、かといって、こんな風に呪われてしまうほど恨まれていそうな人というのも思いつかないですね。本当に呪いなんでしょうか。」

「そう言われてしまうと、私も自信が無くなってきちゃいますけど、今の滝井さんの状況を考えると、呪いだと考えるのが一番しっくりくるんですよね。」


 風音さんは滝井さんの話を聞いて若干自信なさげにしてはいるが、やはり風音さんの見解では呪いの可能性が高いようだ。


「とりあえず、さっき言ってたように、俺が風音さんの形代に、流れてきている霊気を集めちゃうから、それでとっとと呪いを返しちゃわない?」

「う~ん、確かにそれも一つの方法なんですけど、もしも呪いをかけてきているのが陰陽師やプロの呪い屋さんだった場合に、呪い返しの対策をしていないというのは考えられないんですよね。そうだった場合、私が取り合えず返した呪いが更にこっちに返ってくる可能性もありますし、別の手段で呪いをかけ直してくる事も十分考えられます。だから、本当は呪いの元をちゃんと確認した上で対応したいですよね。」

「そっか。たしかに取り合えず今の呪いを返しても、それでどうなったかが判らない上に、また反撃されるかもしれないなんて状況じゃ、落ち着かないよね。更に強力な呪いなんかかけられて、滝井さんに害が及んじゃうような事があったら一大事だし。」

「琥太郎先輩、私の今の知識では、飛んできている霊気の元を突き止めるのは無理そうなんですけど、琥太郎先輩が地道に飛んできている霊気を辿っていくっていうのは難しいですか。」

「え~っと、どれくらい遠くからきているかが問題ではあるけど、まあ辿る位は問題なく出来るよ。それで大阪とか九州とかまでなんて言われたら、時間的に難しいって事にはなっちゃうかもしれないけど。」

「まあそうですよね。だけど、やっぱりしっかりと呪いの元を確認するべきだとは思うんです。だから、取り合えず地道な方法にはなってしまいますけど、この呪いの元を辿ってみませんか。」

「そうだね。どこまで辿っていけるかはわからないけど、とにかくやってみようか。だけど、そうなると週末にならざるをえないかな。週末にまたレンタカーを借りて霊気を辿っていこうか。」


 すると、ここで美澪が滝井さんを見ながら口を開いた。


「蛟は飛べない?琥太郎と風音を乗せて飛んでいけば、すぐに見つけられるはず。」

「「「 えぇっ?! 」」」


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