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42_夜の埠頭

 夕飯の片づけも終わり流伽が押し入れに戻った後、シャワーを浴びてベッドに入ると、布団の中には先にシャワーを浴びていた美澪が柴犬サイズの虎の姿で丸まっていた。


「ねえ美澪、美澪とも久しぶりに模擬戦してみようか。」

「する!」


美澪に模擬戦の提案をしてみたところ、美澪は一瞬で掛布団をはねのけた。そのままベッドで横になっている琥太郎の顔の横に四つ足で立ち、もう待ちきれないといった様子で迫ってきた。


「今の美澪の攻撃とか能力をじっくり見てみたいんだよね。」

「いつやるの?どこでやる?」


なんだかまるで、「お散歩」という言葉を聞いた犬のように興奮している。今は柴犬サイズの虎の姿なので、まさしく興奮する犬そのものだ。(虎だから、どちらかというと猫なんだろうか?)


「そうなんだよなぁ、都内だと模擬戦をするにも場所が無いんだよね。ちょっと場所を考えてみるよ。近所に模擬戦を出来そうな場所さえあれば、平日の仕事が終わってからでもいいし。

「また琥太郎と模擬戦したい! 早く場所見つけてね。」




 翌朝会社に行く前に、美澪には夕方18時半頃に会社の前で待っていてもらえないか声をかけてみた。美澪はすぐに悟ったようで、2つ返事でOKだった。

 昨晩美澪に模擬戦を提案した後、どこか都内で美澪と模擬戦を出来そうな場所がないかをいろいろと考えてみたのだが、ちょっとだけ可能性のありそうな場所が思い浮かんだので早速行ってみる事にしたのだ。流伽には、今晩はちょっと遅くなりそうだからご飯の準備はしなくて大丈夫だと伝えておいた。


 夕方、定時過ぎに無事に仕事を終えて美澪と合流した琥太郎は、歌舞伎町のドンドンドンドンキに立ち寄ってから新宿駅で美澪と電車に乗った。乗り換えを含めて40分ほど移動して降りたのは天王洲アイル駅だ。そこから更に10分ほど歩いて、琥太郎達は品川埠頭へとやってきた。

 東京湾沿いの倉庫街になっている埠頭は、どこも夜になると急に人気がなくなる。品川埠頭の場合、レインボーブリッジ側は夜景の名所にもなっているので夜景を見にくる若者がちらほらやってはくるが、そちらから離れてしまえば、やはりほとんど人気がない。道路もコンテナ貨物を積んだ大型トラックやトレーラーなどが往来出来るように、かなり広く作られている。車もたまにしか通らないので、ここであれば美澪と模擬戦ができるのではないかと考えてやってきたのだが、やはりここならなんとかなりそうだ。

 琥太郎が、交差点から少し離れた、特に人気のなさそうな倉庫の前で立ち止まる。


「どう、ここなら美澪も思いっきり動けるんじゃない? あっ、だけど、倉庫とか建物を壊しちゃうのは無しでお願いね。」

「うん、これだけ広ければ私のスピードも十分活かせるかな。」


 琥太郎は背負っていたリュックから、先ほどドンドンドンドンキで買ってきた買い物袋を取り出した。


「琥太郎、それ何?」


美澪にそう聞かれて琥太郎が取り出したのはケミカルペンライトだった。いわゆるオタ芸などでよく見かける蛍光色のライトで、12本セットで1000円ほどで購入できた。


「模擬戦の途中でもしも誰かが近づいてきた時にね、これを持ってダンスの練習をしてたって言えば、かなり強引だけど一応言い訳になるかなと思ってさ。」


琥太郎はそう言って、さっそく2本のケミカルペンライトを発光させた。その2本を1本づつ空中に放り投げ、ぎこちない手つきでお手玉のように回す。そこに「気」を燃やして作り出した人魂を混ぜて一緒に回してみる。


「どう?人に見られても誤魔化せそうかなぁ。」

「う~ん…、まあ、何も無いよりはいいんじゃない。」


どうやら、言い逃れするにはちょっと強引なようだが、美澪の言うとおり何も言い訳材料が無いよりは良いだろう。


「さてと…、じゃあ美澪、久しぶりに始めようか。」


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