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136_ヒットアンドアウェイ

 美澪は体を回転させながら、受け身をとるように着地すると、地面を転がるようにして全ての砲弾を避ける。直後に、ダディへと牽制の斬撃を放ちつつ、ドローン型式神へと妖気の連弾を放つ。


ザシュッ!

ドドドドドッ


 これをダディは手で払いのけ、ドローン型式神も機敏な動きで全て避けた。しかし、これによって美澪も再び距離を取り体制を立て直す。


「「……やっぱり風音さんからの攻撃が増えたことで、美澪はかなり戦いにくくなってるな…」」


 風音さんのドローン型式神は、1機がダディの上空、もう1機は風音さんの結界の上でホバリングしている。風音さんが模擬戦開始直前に話していたとおり、今回は攻撃だけでなく自身の防御という点もきちんと考慮した配置になっているようだ。

 ここで、再び美澪がダディへ向かってダッシュした。その美澪に向けて、2機のドローン型式神から砲撃が放たれる。

 美澪はこの砲撃を左右のステップワークで躱しながら、一気にダディの足元へと距離を詰めた。そこから、2機のドローンへと牽制の妖気弾を放ちつつ、拳を構えるダディへと下段蹴りを放つ。

 ダディのふくらはぎのあたりに美澪の下段蹴りが綺麗に入ったが、ダディにはほとんど効いていないようだ。すかさずダディからも反撃の突きが繰り出される。美澪はこの突きをサイドステップで躱すと、更にもう1発ダディのふくらはぎへと下段蹴りを繰り出してから、バックステップで距離を取った。すると、ダディに打撃が届く距離にいた際には同士討ちを回避するためか攻撃を控えていたドローン型式神が、すかさず美澪へと砲撃を再開した。


ドンッ ドンッ ドンッ ドンッ ドンッ


 美澪はこの砲撃をサイドステップで躱しながら、ドローン型式神へと妖気の連弾を放つ。


ドドドドドッ


 ドローン型式神も、やはり機敏な動きでこれを躱す。そして、美澪がドローン型式神へと対応している間に、ダディが一気に美澪へと距離を詰めてきていた。


「ふんっ!」


 美澪に迫ったダディが、突進する勢いをそのままに追い突きを放ったが、美澪は体を反転させながらこれをギリギリで躱した。そして、ダディの側方から下段蹴りを放ち、サイドステップで再びダディから距離を取る。そこへドローン型式神からの砲撃が再開される。

 こうして、美澪はダディへとヒットアンドアウェイの攻撃を行い、ダディと美澪の距離が離れるとドローン型式神が美澪へと砲撃を行うといったやり取りが繰り返される。


「「……う~ん、美澪の下段が綺麗に決まってはいるけど、ダディにはやっぱり効いてなさそうだなぁ…」」


 琥太郎がそんな感想を抱きながら観戦していると、琥太郎と咲蔵が観戦している場所から右前方の位置で結界を張っている風音さんから、ヒットアンドアウェイを繰り返す美澪がダディとともに、左側へと少し遠ざかってきた。

 ここで、再びドローン型式神の砲撃とともにダディが美澪へと突進してくる。そして美澪の頭上からその大きな拳を振り下ろしてきた。

 美澪はまたしても体を反転させながらこれを回避してダディの足元へと入る。しかし、今度は下段蹴りを放つのではなく、そのままダディの足元をすり抜けて、反対側にいる風音さんへ向けて一気にダッシュした。

 風音さんへと迫る美澪の前後からドローン型式神の砲撃が放たれる。


ドンッ ドンッ ドンッ ドンッ ドンッ


 美澪は背後にも目があるかのように、前後から飛んでくる砲撃を細かいステップで躱しながら風音さんへと突進する。そして、風音さんの手前3m程まで近づくと、妖気の結界による盾を自身の正面に作り出し、そのまま風音さんの結界へとジャンプした。それは風音さんの結界へと飛び蹴りを入れるような動作にも見えたが、実際には蹴りというよりも、風音さんの結界を足場にして更に上空へと美澪が飛び上がった。


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