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123_咲蔵の結界

 美澪に頼まれた琥太郎が、美澪から少し離れた位置に立った。


「じゃあいくよ。」


ドッ


 琥太郎が、指から発する「気」の連弾よりも一回り大きな、自動追尾型の「気」弾を1発、美澪の結界に向けて撃ち出した。


バンッ!


 琥太郎の「気」弾が美澪の張った結界の中央にヒットする。先程の戦闘中には、琥太郎の自動追尾型の「気」弾を受けると1発で破壊されていた美澪の結界だが、今回美澪の結界は破壊されず、琥太郎の「気」弾は斜め後ろに弾かれてしまった。


「おぉ、結界が壊れてない!」

「もっと撃ってみて。」

「わかった。いくよ。」


ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ


 琥太郎が、自動追尾型の「気」弾と同じサイズの「気」弾を6発撃ち出した。


バンッ バンッ バンッ バンッ バーンッ!


 連続で撃ち出された琥太郎の「気」弾を先ほど同様に斜め後ろへと弾いていた美澪の結界だが、4発の「気」弾に耐えた後、5発目で破壊されてしまった。


「おっと!」


 琥太郎が慌てて美澪に向かっていた6発目の自動追尾型「気」弾を上空へと軌道を変えて霧散させてた。


「最初の1発と合わせて、5発は耐えたって事だね。咲蔵の言うとおり、これは大きな進歩じゃない?」

「うん…。咲蔵ありがと。」


 琥太郎の言葉に、美澪も一応は頷いているものの、結果的に結界を破壊された事が悔しいのか、なんだか複雑そうな表情だ。それでも、結界の防御力向上のアドバイスをくれた咲蔵に、美澪もお礼を言っていた。


「せっかくだから、僕の結界も試してみたいな。普段、あんまり強い攻撃を受ける事なんてほとんどないからさ。ねえ琥太郎、僕の結界にも攻撃してみてくれない?」


 咲蔵はそう言うと、自身の隣に自分の身長位の大きさの妖気の結界の壁を造った。美澪にアドバイスしていたとおり、やはり中央部分が前に膨らむように膨らんでいる。


「うん、じゃあいくよ。」


ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ

バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ


 琥太郎が咲蔵の造った結界に向けて、美澪に試したのと同じ「気」弾を6発撃ち出したが、それらは全て咲蔵の張った結界に弾かれて咲蔵の結界が壊れる事は無かった。


「じゃあ、もうちょっと撃ってみるね。」


ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ


 琥太郎が先ほどと同じ「気」弾を追加で更に12発撃ち出す。


バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ


「おぉ、全部耐えた! さすが咲蔵は結界の防御の専門家だね。」

「へへへっ、これなら琥太郎に攻撃されてもなんとかなりそうなのかな。良かった。」


 琥太郎の「気」弾を全て無事に受け切った咲蔵が嬉しそうにしている。ちょっと得意げだ。


「琥太郎の攻撃はそんなもんじゃない。今は手加減して結界を壊す気が無いだけ。琥太郎なら結界を壊そうと思えば簡単に壊しちゃうもん。」


 琥太郎の「気」弾を防いで得意げな様子の咲蔵に、美澪が反論した。美澪は琥太郎の実力を低く見られるのが気に入らないようだ。


「本当?」

「う~ん、まあ、出来なくはないかなぁ。」

「じゃあ、僕も本気で結界を張るから、やってみてよ。」


 咲蔵はそう言って、大きく深呼吸すると、ギュッと目を閉じてその場で踏ん張り始めた。


「ん~~~~~っ!」


 すると、明らかに先ほどよりも高濃度の妖気を宿した結界が咲蔵の隣に出来上がった。


「ふぅ ふぅ・・・」


 結界を張り終えた咲蔵は大きく肩で息をしている。


「これに強い攻撃を与えて壊せばいいんだよね。それとも、とりあえず結界を破っちゃえばそれでいいのかな?」

「えっ? えぇっと、強い攻撃に耐えられるかを試してみたかったんだけど、琥太郎はなんか他にも出来るの?」


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