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第百三十話「路地裏での攻防」

「そういえばリアちゃんは何が出来るの?」

「そうですね……私に出来ること……」


 そう呟き、腕を組んで考え始めるリア。


「う~ん、あっ、そうだ。私、村ではよく獣とかの解体をしていたので、それなら出来ます!」


 年端もいかない少女に似つかわしくない特技だったが、それはかなり需要の高そうな特技である。


「それならすぐに職が見つかりそうですね」

「そうね。じゃあまずは冒険者ギルドに顔を出してみる?」

「はい、それでよろしくお願いします」


 ルルネの言葉にリアは頷いた。

 というわけで、ルルネたちは連れ立って冒険者ギルドに向かう。

 そして冒険者ギルドに向かい始める三人。

 だったのだが……


「迷いましたね……」


 ミアがそう小さく呟く。

 それに対してルルネも小さく頷いて


「迷ったわね……」

「リアさんが方向音痴だったとは思いませんでした……」

「す、すみません」


 ミアの言葉に小さく謝るリア。

 そんな彼女の言葉に首を横に振ってルルネは言う。


「いえ、謝るほどのことではないけど……どうしようか」

「とりあえず歩いて人がいそうな場所を探すしかないんじゃないでしょうか……?」


 ということで、闇雲に歩き回るしかないという結論に至り、三人は歩き始める。

 と、そんな時、目の前に一人のフードを被った人が現れた。

 その人は、以前ルルネたちを路地裏で襲った時と同じフードを被っていた。


「——ッ!? 貴方はッ!?」


 ルルネたちは突如現れたその人に驚きの声を上げて後方に飛び退く。

 しかし彼は一切の躊躇もなく腰の細めの剣を引き抜くと、ルルネたちに襲いかかった。

 それをルルネは自分の剣で応戦する。

 路地裏に激しい金属音が響き渡った。


「リアさん、下がっていてください。危ないので」


 ミアはそう言ってリアを後ろに下がらせる。

 リアはルルネが戦っている様子を固唾を呑んで見守っていた。


「……貴方の狙いは一体何なの!? 何故私たちを狙うの!?」


 そのルルネの問いにもフードの人物は答えなかった。

 激しい応戦が続く中、ふと強い隙間風が通り過ぎていった。

 その人物のフードがめくれ、顔が露わになる。


 そのフードの人物はまだ年若い少年だった。

 瞳は完全に光を失い、虚ろだ。

 頭の上に大きな銀色の耳が生えていた。

 それを見たリアは、ポツリと一言、こう呟くのだった。


「……ネシウス?」

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