原本くんが学校に来る理由
初投稿です。少々雑な文法と言葉遣いかもしれませんが、どうかお許しください。
中学3年の春、彼はいきなり姿を現した。
「あれ?学校って9時からじゃないの?」
そう非常識な言葉を言って、彼はわたしの隣に座った。
不登校の原本くんが学校に来たのだ。
彼とは幼稚園の頃からの幼馴染みだが、小学校3年生の時に学校に来なくなり、以来顔を合わせていない。
その日の昼休み…
「相原さん、久しぶり。」と原本くんに声をかけられた。
私はとても驚いた。なにせ、5年間も会っていない人に名前と顔を覚えていてもらっていたのだ。
「久しぶり。」
「どうだった?元気にしてた?」と、彼はまるで夏休み明けの友達のように話してきたのだ。
「うん。元気だったよ。そっちは?」
「まぁ。」という言葉の後、私はつい気になってしまい、
「どうして学校に来るようになったの?」と、聞きそうになったとき、運良くチャイムが鳴り、パンドラの箱を空けずにすんだ。
ー原本くんが学校に来るようになった理由はもう少し後に聞こう
その放課後、原本くんが、
「一緒に帰らない?家近かったよね。」と、私を口説くようなことを言った。
私は思わず笑ってしまい、
「いいよ。」と言ってしまった。
帰り道では、
「原本くんは好きな食べ物って何?」という、小学生のような質問をしていた。
「好きな食べ物は佃煮かな。」
「好きな動物は?」
「マレーバク。」
「趣味は?」
「ゲームとプログラミングかな」
「へぇ~。すごいなぁ。」
こんな楽しい会話をずっとしていたいと思っている自分がいた。
でも、次の交差点を右に曲がれば、原本くんとはまた明日になる。
聞いてはいけないとわかっていても、聞きたかった。
聞かないと後悔してしまいそうだった。
だから、勇気を振り絞って、その質問を問いかけた。
「あのさ…」
「原本くんが学校に来るようになったにはどうして?」
私は手が震えてしまっていた。
すると、原本くんは、
「今はまだ言えない。」と言い、
「また明日。」と笑って手を振りながら向こうへ去っていった。
私は「また明日…」と苦笑いで原本くんに手を振った。
もやもやとした気持ちだけが心に残り、家に帰っても、なにもしないまま、ただ、原本くんのことだけを考えていた。
ーどうして教えてくれないの?何があったの?
私は、夢の中でまで考えてしまっていた。
この日原本くんに会ってしまった。
私は原本くんのせいで、
一年後に死んでしまう。
読んでくださってありがとうございます。
次回は8/4までに投稿予定です。