少しヤンデレな王太子と婚約者の日常
拙い文章となりますが、最後まで読んでいただけると幸いです。
私はリリーナ·グラリスといいます。今、この国の王太子であらせられるメイナード·サイラス様の部屋に閉じ込められています。
「ねぇリリーナ、僕言ったよね?舞踏会に行ってもいいけど、誰とも踊ってはだめだと。」
「えぇ、言われましたわ。でも、従兄弟ですもの。踊っても良い相手でしょう?」
「従兄弟でもね、だめなものはだめなんだよ?父親の公爵や弟のリサールならいいけどね。」
なぜ駄目なのかよくわかりません。
「取り敢えず、約束を破った罰として、1ヶ月はこの部屋から出さないから。」
「えっ!?」
何ということでしょうか。来週は楽しみにしていたお忍びで城下を見て回る予定でしたのに…。抗議したいですが、お忍びの事は殿下に内緒にしていたため、バレたらどうなることか。恐ろしくて言い返せません。
「……わ、分かりましたわ」
「うん。君は聡明だからきっとそう言うと思っていたよ。」
何故でしょう?ちゃんと了承したはずなのに、部屋の空気が冷えた気がします。
「ねぇ?リリーナ?」
「?はい、なんでしょうか?」
「ずっと僕に隠してたことがあるよね?」
「…な、なんの事で、しょうか…」
「フフッ言葉が少し震えてるよ?思い当たること、あるでしょ?」
やばい…バレてしまえば最後、軟禁もしくは監禁?の期限が1ヶ月で済むわけがありません。ですが、殿下のこの様子では多分わかってらっしゃるわ。まだ潔く言ったほうがいいかしら?
覚悟を決めるのよ、私!
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「ふ~ん?やっぱり僕に隠してることあったんだ?」
こ、怖いです。声が低くなってます。
「も、申し訳ありませんでした!」
「ちゃんと言ったことは褒めてあげる」
《スッ》
殿下の手が私の頬をなぞります。
「でも、1回隠そうとしたでしょう?すぐに言わないなんて悪い子はもっと反省が必要じゃない?」
「は、反省します!してます!だからこれ以上の罰は勘弁してください!」
「ん〜…じゃあ、リリーナからキスして?あ、ちゃんと口に
だよ?」
ひえぇえ!!!
「あの、それは……」
「え?嫌なの?じゃあしょうがないな、既成事実でも作るしかないかな〜♪」
はあぁぁぁぁ!?
「キスします!」
「えー!僕的には既成事実でいいけど?」
《チュッ》
「こっこれで勘弁してください!」
「もっとだよ?今度は僕からしてあげるから!」
《チュッ チュッ チュッ…》
1年後、二人は結婚し、その後は4人の子宝に恵まれたそうです。
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王太子視点
僕の婚約者はとても可愛い。
ほら、問い詰めたら少し震えて、涙ぐんだ目で僕を見る。身長差があるため、上目遣いになっているのもすっごく可愛いし、嗜虐心がそそられる。
(よし、この部屋にしばらく監禁…とまでは行かなくても、軟禁しよう!)
「取り敢えず、約束を破った罰として、1ヶ月はこの部屋から出さないから。」
そう言うと、彼女はショックを受けた顔になった。
(フフッ僕知ってるんだよ?君が来週城下に行こうとしていたこと。しかも気安く話すまでになった男がいることも。今この場で自分から白状してくれれば、“僕と一緒”という条件で城下に行かせてあげなくもないんだけどな〜♪)
「わ、分かりましたわ」
「うん。君は聡明だからきっとそう言うと思っていたよ。」
「……」
どうやら、自分からは言ってくれないようだ。なら仕方がないかな。
「ねぇ?リリーナ?」
「?はい、なんでしょうか?」
「ずっと僕に隠してたことがあるよね?」
「…な、なんの事で、しょうか…」
さっきより震えている。もっといじめたくなってきた。
「フフッ言葉が震えてるよ?思い当たること、あるでしょ?」
彼女はしばらく顔を伏せていたが、覚悟した顔で僕を見た。
「実は、お忍びでたまに城下に行ってます!隠してて申し訳ありませんでした!」
正直に話してくれた彼女。なので、
「ん〜…じゃあ、リリーナからキスして?あ、ちゃんと口にだよ?」
これで勘弁してあげる♪
しばらくごちゃごちゃ言ってたけど、最終的に
《チュッ》
と可愛いキスをしてくれました。
まぁ、僕的には、既成事実でも…というかそっちの方が良かったんだけどな。
(…1回のキスじゃ足りないな…)
「今度は僕からしてあげるから!」
《チュッ チュッ チュッ》
彼女はもう腰が砕けそうだ。しょうがないな、
今日はバードキスで許してあげる。これから1ヶ月はいくらでも出来るしね。
1年後が楽しみだね?僕のリリーナ
どうだったでしょうか。
楽しく読んでいただけたなら嬉しいです。
最後、メイナードで、1番ヤンデレっぽく終わってみました!