第5話 黒き影は目の前に
第5話です。いよいよ主人公の活躍が始まります。
ネイレスの城は3階建ての建物である。
まずは食堂や湯浴みをする部分がある1階、そして国王の間があった2階、そして現在俺らがいるのは最上階の国王や女王の寝室がある部屋である。
密偵チームは外壁周りや1階部分に集まっており、国王は2階、そしてマーナ王女は3階にいる。
「....どうぞ」
「本日より、マーナ王女の護衛を任された担当リーダーのガザードと申します。」
「あ......そう宜しくね」
ガザードが自信満々に答えた。
.....おいこいつさりげなく自分をリーダー認定しやがった。
「....でなんでその茶髪のやつがいる訳?」
「マーナ王女先ほどのことを謝罪しようと.....」
「良いわよ別に、とりあえず一人にしてくれない」
「しかし.....」
「二度は言わせないで」
マーナ王女は睨んでそう答え、俺らを外に追放した。
ほっとく訳にもいかないので
そして打ち合わせの為に王女の部屋の前の廊下に集まっての会議をしていた。
「とりあえず、この部屋の前にリオンがいるのは確定として..」
「おい、なんで俺が確定なんだよ....」
ロンディネの言葉に俺が反論しようとした時ガザードが、
「まぁそれも一理あるな、まだなんか怒らせてるっぽいし」
「「「「「「異議なし」」」」」
俺に一任されてしまった。
というより、今は近づきたくないから任せたという感じだった。
「それにこの城の特徴を一応きちんと把握しておかないと、外部からの侵入の場合の対処が難しくなるからな」
「でも....」
「心配するな、リオンお前にはあれもあるし、十分強いよ。」
ロンディネやガザード達に言われ、結局俺は部屋の護衛に着くことになった。
一人になり、しばらく経つと部屋の中から
「ママ.....」
という小さな声が耳に入った。
そうか、王女は変わってまだ日が浅いと聞く。しかもまだ犯人は見つかっていない状況なんだ。
不安に思うのも仕方ないよな。
静寂な時間がとても長く感じた。
「ターゲットは?」
「現在王女の間に一人でいるが、部屋の前に護衛一人とその階層にそれぞれ分かれてる」
「気をつけるべきは、白銀の妖精の奴らか....」
「そいつらはオネンネしてるよ」
「仕事が早いな」
「しかし随分な間抜けもいたもんだ。自分らがカモにされてることにすら気付かないなんて」
「油断するな....よ」
「まぁこのアイビーに任せなよ」
「仕事はやるさぁ俺自身の快楽の為にもね」
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どうなってやがる...
俺の場所は効果が薄いのかよくわからんが、煙のようなものが周りに充満し始めている。
ここは最上階で、下の方から登っているように見えるので、恐らく何らかの攻撃を受けているのだろう。
っていうか他の奴も心配だが、今俺がやるべきことは、
「王女様失礼しま....!!」
そこには見慣れない長髪の男がいた。そして、そばには倒れているマーナ王女の姿。
「おかしいな、俺の魔法の効きが悪かったかな。」
「お前誰だどうやってここまで来た!!」
男は
「うるさいなぁ、この状況でやる事なんて一つしか無いだろう」
「何だったら、今この場で俺を止めてみるか。まぁ所詮お前のようなガキ相手じゃ・・・」
何を言って、その時体が急に眠気を感じた。
何だこれ・・・急に視界が・・・
「やっと効いてきたのか。まともに聞こえて無さそうだから、教えてやるよ俺の魔道具『樹霊』は魔力を込めることで、相手に催眠、麻酔などを行う能力なんだよ。」
「 一応今回の任務だから、聞かなきゃいけないこと沢山あるけど、そのあとは好きにして良いって条件だからね・・・」
男はニヤッと笑いながら
「だから、こいつの母親と同じようにたっぷり痛めつけてから殺すとするよ」
ゲス野郎め俺が絶対にこいつをぶっ飛ばす。
第6話 「激突リオンvsアイビー」です。お楽しみに