第3話 ネイビス女王 マーナと黒い影
第3話です。
「ようこそネイビスへ、私が今回の護衛の任務を依頼した国王ルーゼンパッセというものです。」
城に着いた時に俺ら早速国王の間に招待された。城の中は比較的質素な感じであり、城壁が岩で厚く、その周りに池ができているような構成となっている。
ルーゼンパッセは今回の依頼人として、礼を述べた。
「いえ今回の任務の依頼を任された黒の番犬のブリッツです。精一杯努めさせて頂きます。」
と礼儀正しく申した。
このブリッツという男細目の長身というのが大きな特徴でテキパキと話すというのが一番印象的である。
「今回の件について話すことの一つとして上げるならば、ただ一つ気がかりがございまして...」
とルーゼンパッセは言葉を濁した直後、
「パパ、今回の依頼人がこの人達で大丈夫なの?何だか嫌な予感しかしないんですけど..」
「ここで今そういう事を言うもんじゃない」
と黒い長髪の女性がそう告げた。ちょっとムッとしたが、どうやら彼女を護衛するのが今回の任務らしい。
「ちょっとそこのあんたなんか文句でもありそうな顔してるわね。」
「え....そんな事はありませんけど」
「そう言うのって、言ってなくても大体目を見れば分かるものよ」
と言って彼女はそっぽ向いて国王の間から出て行った。
どうやら俺は彼女にいきなり悪印象を持たれたようだ。実際の所どう見ても、後ろのやつの方が気になる見た目してると思うんだがな・・・
「何か失礼なことを考えてないかいそこの茶髪ボーイのリオン君?」
「いえ、滅相もありません」
どうやら彼女は対象を勘違いしている縁がありそうだなんてとてもとても...
「やっぱりてめー失礼な事考えてるだろ」
と隣のイケメンに見透かされてしまったようだ。
「コラ、ガザードそのようなことをいうものじゃないこれは私が場を和ませる為に編み出した髪型なのだよ。」
「アバドンさん....やっぱりアバドンさんは尊敬できる方です。」
本人がいいのならそれでいいのだろう
俺はそこで納得することにした。
次にエリーが国王に質問をした。
「所で今回、護衛するのは先程のお嬢さんで宜しいのですか?ルーゼンパッセ王」
「はい間違いございません。今回護衛するのは私の娘であるマーナです。王女になりたてで私としてはどうも不安で不安で.....」
「王女になりたてとは....?」
それからの国王のセリフは彼女の母であるハティという女性が何者かに殺害され、現在その犯人を探しているのだが、なかなか犯人が不明であり、その間次に狙われる可能性の高い国王と王女のマーナを護衛する。というのが今回の依頼である。
「なるほど....では今回の依頼は私達はその犯人を見つけつつ、あなたがたの護衛をするということですね。」
次にアバドンが
「承知しました。ならば私どもにおまかせ下さい。あなた方の笑顔を守ることが我らの仕事ですから。」
「どうかどうかよろしくお願いいたします。」
格好を除けば、アバドンという人は決して悪人ではないということが証明された。