エピローグ
初投稿で初連載です。
それはほんの一瞬の出来事だった。それまでは、いつか冒険に出て未知なるものを発見したいという夢を持っていた。
「リオンいつまで外にいるんだ中に戻りなさい」
「父さんもうちょっと夕陽を見ていたいから待ってて」
それが最後の家族との言葉だった。
夕焼けから大きな生物が突如飛来し、そいつは街を一瞬にして飲み込んだ。
俺がこの襲撃を回避できたのはたまたまの偶然街とは反対方向の丘にいたお陰である。
俺の故郷のマーズはプトレーゼと呼ばれる王国の街の一つであり、その怪物は首都であるマイオスに侵入しようとしていた途中でマーズを襲ったという感じである。
怪物の討伐を決行した王国軍は三日三晩戦った結果、怪物に敗北。結果プトレーゼは歴史上の地図から滅亡することになってしまったのである。
後にその怪物は国を一つ滅ぼした生物の名を『ネレイス』と呼ばれ数多くの人々を畏怖させたのである。
友も親も失い、挙句に国を失ってしまった俺は、当てもなく歩き、倒れてしまう寸前のところに一人の女性にあった。
「あなたこの国出身の人?」
女がそう言い俺はそれを肯定した。
「驚いた、まさかこの国に生き残りがいるなんて想定もしていなかったわ」
俺はなぜかその女のセリフに驚愕した。
「生き残りがいないってじゃあこの国にいるのは....」
「貴方だけね」
俺は素直にその言葉を受け入れるしかなかった。
目の前に広がる荒れ果てた土地は、その現実を如実に実感させる程の説得力があったからだ。
つまり俺はこの瞬間この国でたった一人の生き残りになってしまったのである。
「ねぇ貴方もし行く当てもないというのなら私が所属するギルドに入らない?」
女はそういった。
俺は訳も分からず
「なんで俺なんかを勧誘する?俺なんかたまたま生き残って、たった一人で...」
「だからよ、貴方は生き残った。」
そしてこう続けた。
「偶然かどうかなんてどうでも良い。何万のうちのたった一人生き残ったという事だけでも十分立派なことよ。行く当てもないというのなら私に力を貸しなさい。」
「そうすれば貴方の見られなかった未来を私が見せてあげる。」
俺はその言葉を発する少女がとても眩くそして美しく見えた。
「私の名はそうね......エリーよ貴方の名は?」
「俺の名はリオン。リオン・スタールだこれからどうぞよろしくお願いします。」
この少年と少女の出会いが世の中を大きく変えていくことをまだ世界の誰も知らないのである。