一話 『入学式!?』
「一年生の皆さん、入学おめでとうございます。つきましてはーーーー」
新入生への挨拶が始まった。ステージの上で演説をして居るのは、この学校の生徒会長さんだ。
「なぁなぁ、あの生徒会長さん綺麗じゃね?流石は『巫女』って事なのか?惚れちまいそうだよ」
「静かにしてろよ、涼。てか俺が知るか」
俺の右側で話しかけてきたのは同級生の 平野 涼。茶色のボサボサ頭にグレーの眼鏡。一般で言うとカッコイイのカテゴリに入る俺の友達だ。
「わりぃわりぃ、お前はそう言う系は興味無〈ゴンッ!〉」
「「痛えぇ‼︎」」
「うるさいッ!」
後ろの奴に俺も殴られた……何で俺も?
ちなみに殴った奴は 本田 真木野 こいつも同級生だ。
黒いショートボブに……それだけだな。あまり目立たない。
「何すんだよ真木野!」
「入学式ぐらい静かにできないの⁉︎」
「いや・・・お前が一番うるさいよ」
「アァ⁉︎」
「あの〜?進めてもよろしいでしょうか?」
「え?」
いつの間にか、うるさくしていたせいで生徒会長さんの演説を中断させ、更に全校に注目されている。
「お〜いそこ、静かにしてろよ〜〜。」
ジャージ姿の先生が覇気の無い注意をする。
「す、すいませんっ〜〜‼︎」
慌しくお辞儀をし、謝罪するマキノに対し、リョウはそれを見て笑っている。
それに気づいたのか、ギロッとマキノがリョウを睨みつける。
「何してんだか・・・」
呆れてしまう。まぁ、楽しいから良いのだが。
この世界には人類の他に、神、魔族、妖怪などが存在する。未だ特別な者しか見た事がないが、絶対の存在 神。それぞれが特殊な能力に長けている。
これらの存在は人間にとって脅威ではあるが、とあるお偉いさんがこう言った………
「生き物、皆脅威じゃ。だが、知性ある者ならば話し合ってみるのも一つのすべではないのかな?」と。
そして色々あって「和解と共生の同盟」で国の下、創立された四つの学園。
信桜学園
龍海学園
星芸学園
譚雪学園
人間にも魔法を使う事ができ、入学可能である。
なので、人と魔族やその他諸々・・・が集まり互いに競い合い高め合っていくのが、学園の目標だそうだ。
ちなみに、ここは新桜学園。
最初に創られた学園であり、設備が良く、功績も高い人気の学園である。
まぁ、俺は家から近いから選んだんだが・・・。
そう言えば自己紹介が遅れたな。葉桜 ふれか だ。黒目黒髮で、中学時代 リョウの奴に、
「フレカって目の下にクマがあるから根暗っぽいよな(笑)」
と、言われたのを未だ根に持っている一般人だ。
よろしく。
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入学式も終わり、自分の担任の渡辺 咲 先生に学園を案内されているところだ。
「この体育館で最後です。とまぁ、体育館と言いますが大きさ的にはグラウンド2個分ってところですね。体育の授業に使われますが、毎年行われる『四季戦』へのトーナメント場にも使われます」
四季戦
年に一度、四つの学園がそれぞれ代表者を三名出場し、魔法、武力による闘技大会。
一般客も観戦が可能だが、国のお偉いさん達も見に来る為、優勝者あるいは目に止まった者は将来が約束されるという。
「それでは突然ですが、あなた達の実力を見たいので今から、戦ってもらいます。」
「「「………え”っ!!」」」
誤字脱字、感想等ありましたらヨロピクです。