GunS Guilds Online!
1.使徒戦-血路
二つのマップが一気に開放された。
ラストダンジョンと始まりの地。
クリスピーは獣王何とかの使徒だ。クリスピーを退けたらラスボスとの敵対関係は確定的なものになる。
そしてマップが未開放のままなら俺たちはラスボスに一方的に攻められることになる。公平さに拘るョ%レ氏は、俺たちにも敵の本丸に攻め上がる道を開いた。
……ョ%レ氏がやたらと警戒していたのはそういうことか。
最終決戦の時が近い。
総力戦になる。
クリスピーがちびナイ劇場に侵入できたのはラスボスの力をコピーしていたからだろう。
ラスボスは死出の門を自在に操れるということだ。
セーブポイント。
そうか。ギルドの残骸は中継地点なのか。
自壊したギルドは仲間の元に転送される。
ならば女神像の正体は……。
いや、よそう。今考えることじゃない。俺は余計な思考を打ち切った。
【しかし今考えて欲しいことではある……】
デスノにそんな台詞あったな。
NAiが余計な茶々を入れてくるが俺は無視した。この女はテキトーなことしか言わない。その場のノリと勢いだけで生きている。お前は俺か。なんでそんなに俺に似ちゃったんだよ。一番手本にしちゃいけない人間だろ。ノリで完全変身したものの、たぶん俺もう助からんぞ。
それでも別にロストしたい訳ではないので俺は無闇に突撃せずに三対の目をギョロギョロと動かして戦況を把握していく。
突然ゴミが増えたことでクリスピーは眷属を二手に分けた。運営三人娘を追う部隊とゴミ清掃班だ。
ティナンの避難はほぼ完了している。やっぱりスマイルくんはスゲーな。ポーキーが街から姿を消すタイミングで戦力を投入してきた。俺もそうすりゃ良かったよ。いやダメか。もしもクリスピーが眷属を当てにせず、自ら動いたらやっぱり誰かが身体を張る必要があった。たらればは意味がない。
そしてスマイルくんは慎重な男だった。
エリアチャットを使える彼はサトゥ氏のように最前線に出ずとも全体を指揮できる。エンフレの手のひらの上から戦況を俯瞰し、運営陣とリモート会議を始めた。
『GMマレ。レイド級に攻撃が通らない。何とかできるか?』
マレが全チャで答える。
【たぶん……。近くまで行って、手で触れることができれば】
『よし。巨兵隊、前へ。敵、レイド級を押さえ込め。眷属の操作を妨害しろ。それ以外のプレイヤーは眷属の排除に掛かれ。ネフィリア。ギルドが撤退している。呼び戻せ』
歩兵たちはティナンの味方みたいな顔をして一緒に避難していた。たぶん自分たちを猫か何かだと勘違いしているのだ。
俺はメニューを開いてフレンドリストのログインマーカーを確認した。
スマイルの旦那。ネフィリアはログインしてねーぜ。
『コタタマくん。指揮を代行できるか?』
やってみよう。
歩兵ちゃんたちやーい。戻っておいで〜。
歩兵ちゃんたちはぷいっとそっぽを向いた。
ダメだったわ。気分が乗らないらしい。
『どういう教育を……。みんな、仕事の追加だ。逃げ遅れたティナンが居ないか探索。眷属の撃破を優先していい』
旦那、俺は探索を優先するぜ。言っても聞かねーから諦めてくれや。
『ルリイエ、これを使え』
スマイルくんが二又の枝っぽちを投げて寄越す。……なんぞ?
『何だかのアニメの脅かし棒だ。欲しがっていただろう』
ゴールデンカムイね。
俺の知らないところで勝手に俺のエピソードを増やすのはやめて欲しい。そして脅してどうする。まぁ使えってんなら使うが。
ヴェロァァァアアアアああああ!
スマイルくんは人間の里で使えそうなメンバーを掻き集めて来たようだ。
人形どもの排除に取り掛かるゴミどもの中に【敗残兵】のメンバーとウチの子たちが混ざっている。
人形の四肢を落としたサトゥ氏が大声で叫ぶ。
「サトウさん! GMを殺してもヤツのスキルは俺らには使いこなせないってことなのか!?」
声が届く範囲だったので、スマイルくんは手振りで麾下のエンフレに少し屈むよう命じた。魔力を温存するためだろう。マレのスキルが気になって仕方ないスキルくれよお化けに言う。
「人の心がないのか。サトゥ、お前は知っているな。GMマレのスキルを開放したサーバーはない。少なくとも私の知る限りにおいてはそうだ。それは人の良心が成した偶然だと思っているよ」
サトゥ氏は納得行かなそうな顔をした。
まぁ分かる。千人居たら一人くらいはどうなるか分からんなら試しに殺してみようと考えるのが自然だ。
とはいえ、この場でそんなことを言えば俺がその一人と目されてしまうので俺は納得したフリをした。そしてサトゥ氏も納得したフリをした。
「なるほどな?」
人の良心を信じることができない哀れな男であった。
おっと? 何やらゴミどもが俺の真ん丸ボディをよじ登ってくる。ウチの子たちも一緒だ。俺はアットムくん以外の男を触手で摘んで潰した。さわんな。パーソナルスペースってモンを知らんのか。
俺の真ん丸ボディをちまちまと登ってるちっこいのが俺を指差して叫ぶ。
「コタタマ! 後ろ後ろー!」
へぁ?
俺は素っ頓狂な声を上げてギョロッと目ん玉を動かした。エンフレ時の俺の目ん玉は草食動物のように視野が広いのだ。そうそう見落とすことはないのだが……。
ゲェッ! カメレオンみたいな人形がこっちに向かっている。プクリの真似っ子も居るのかよ!
俺はそいつらを触手でぺんっと叩き落とした。素早くウチの子たちとからくも生存した知らない女キャラたちを触手で回収して俺の頭の上に乗っける。コタタマくん守り隊の結成だ。良かった良かった。
よう、アットム。こっちでいいのか? もしも俺が本気でティナンを殺そうとするなら今この瞬間を狙うぜ。邪魔なゴミが居ねーからな。
「そっちはミントに任せた。今回ばかりはね……。クリスピーさんはコタタマの友達なんでしょ?」
友達ねぇ。まぁ一発ブン殴ってやろうとは思ってるよ。
ゴミどもが暴れ回った所為で山岳都市は瓦礫の山と化していた。もうこれで何度目か数えるのも億劫なくらいで、いっそしっくり来る。実際、落ち着く。
俺は瓦礫の山に座った。足ないけど。
このフィット感よ。
俺は触手をわらわらと伸ばして逃げ遅れたティナンが居ないか探索に移る。マーマレードの勅命も飛んだろうし、まずないとは思うが今回は何もかもが突然すぎた。触手で瓦礫をひっくり返してみる。うーん……。ゴミしか居ねえ。俺はゴミを念入りにぷちぷちと潰していく。
赤カブトがゴンゴンと俺の真ん丸ボディを叩いてくる。なんだ。どうした。
「ダメだよ、ペタさん! な、なんで殺しちゃうの?」
俺さぁ、エンフレに化けっと同族意識っつーの? そういうのが抜け落ちンだよ。いつからかなぁ。覚えてねーけど。敵と戦わねー、戦えねー奴らは殺したほうがいいと思ってる。何すっか分かんねえから。
俺は冷静だった。ずっと前から自覚はあった。聞かれたから答えた。それだけのことだった。
一方で、エンドフレームとはそういうものだと思っている。
戦うための身体だ。この機械仕掛けの身体でキレーなチャンネーとエッチなことはできないし、たぶん眠くなることもない。生物として必要なものをごっそりと失っている。なのに人間だった頃と同じようにやれってのは無茶だ。
俺のちょっと主人公っぽい告白に赤カブトは呆然として、その傍らでムッとしたマグちゃんが俺をジト目で見てくる。
「てか、いつもそんな感じじゃない?」
そんなことないよ。
俺は容疑を否認した。否認したものの、言われてみればそんな気もしたので話題を変える。
てか、クリスピーが微妙に俺を殺そうとしてくるのは何なの? 他のエンフレはさっきからずっと無視してンじゃん。ああぁあぁ、背中になんか居る! ポチョー! ポチョー!
「はーい!」
元気に返事をしたポチョ子が「ん!」とアットムに手を差し出す。掴まれということだろう。アットムはスラリーを使った戦い方をしない。
アットムは私情を捨てた。イヤそうな素振りを見せることもなくポチョの手をしっかりと握る。
よしよし。害虫駆除はウチの子たちに任せよう。
俺は最後の大仕事を済ませて気が楽になった。
全チャでぴーちくぱーちく喚いている運営三人娘に目を向ける。
【プレイヤーたちと一緒にレイド級に挑むなんて……もうメチャクチャ】
【えー? プフちん、前にやってたじゃーん。プクリん時だっけ?】
【ナイ。あなたはティナンに肩入れしすぎです……。天使ってこんな自由でいいの?】
人形たちが代わる代わるプフさんに襲い掛かる。それらをプフさんは危なげなく躱していく。
彼女は七土種族の中でも緒の民と呼ばれる種族だ。緒の民の別名は土蜘蛛。
蜘蛛は本能で糸を編み巣を張る。本能とは何か。本能とは身体の造りだ。手が、足が、口の向きや重心に至るまで、そう動くのに向いているように出来ている。だから人間のように考える頭がなくても、無理なく動けば自然とそうなる。
プフさんも同じだ。糸の張りや強度、何をどうしたらどうなるのか、なんとなく分かるのだろう。そうした感覚を更に修練で言語化し磨き上げている。人形どもが敵う相手じゃない。
プフさんの独壇場だ。
というか彼女は出てくるといつも独壇場だ。俺らはもう余計なことをせずに応援団でいいんじゃないか。もっとも俺は目がいいんでね。解説役っつうオイシイ仕事があるのさ。お先……ってトコかな。
一つ懸念があるとすればクリスピーの固有スキルだ。
人形どもの動きがどんどん洗練されていく。学習しているのだ。つい先ほどまで油の切れた人形のようにぎこちなかった動きがサマになりつつある。ワイヤーアクションじみた動き方は速いが直線的で、しかも軽い。慣れてくると簡単にカウンターを取れる。俺は自信ないけど。
特急プフ号から目に映る景色は格別だ。
プフさんの背でNAiがまるで自分の手柄のようにハシャいでいる。
【ちょっと、マレ! これ凄くない? 七土種族ってこんななの? 余裕じゃん! 友情パワー炸裂! ナイちゃん大勝利ー!】
早くも勝利宣言をブチかまし、追いすがる人形たちに舌をベロベロと出して煽る始末だ。
一方のマレは神の呪いとかいう不穏にも程があるワードを聞かされ、アンニュイなご様子だった。
しかしそれも長続きはしなかった。
すぐ隣でテンション爆アゲ天使が絶対のチカラに酔いしれているのを見て、三秒後には一緒になってハシャいでいた。
【これが私たちの! キズナのチカラだぁー!】
うるせぇなぁというような顔で肩越しに振り返ったプフさんが、楽しそうに笑うナイマレを見て頬を赤らめる。特急プフ号の乗り心地に味を占めたダメ姉妹は楽な姿勢を模索した結果、吐息が掛かるほどプフさんに密着していた。プフさんが見惚れていることを悟られまいとすぐに正面を見据えて顔を上げる。己を鼓舞するように叫んだ。
【行きます!】
糸を大きくしならせて高く跳ぶ。空中で身をひねると結い上げた髪が独りでに解けた。宙を舞った髪留めが後方へ流れていく。波打つ髪が上空を吹く強風に大きくそよぐ。
ナイマレが空を指差し声を揃えてアナウンスする。
【限界突破ぁー!】
変身できる種族はコンフレームとエンドフレームの中間形態を持つ。
ハイフレームと称される戦闘形態だ。
プフさんの眠っていた細胞が瑞々しいエネルギーを注がれて目を覚ましていく。
もう彼女に自己暗示は必要なかった。
この胸に淡く息づく想いは彼女だけのものだったから。
きっと、その身を巣食う英雄の記憶への劣等感もあった。
誰もが次代の継承者たる巫女を憐れむ。
では自分は?
……ポポロンは恐ろしく知恵が回る。
いつか出し抜かれるのではないかという恐怖があった。
星と星を行き来する運営補佐に志願したのは、親しい友のそばに居てはいけないという強迫観念からだ。
けれど、かぼちゃの馬車は走り出してしまった。彼女は魔法に掛かってしまった。
アナウンスが走る。
【Extra-Skill!】
【昇格】
【悲劇のヒロインではいられない】
【三級及び二級権限の限定解除】
【制限時間:00.33.32…31…30……】
このゲームにおいて女性キャラクターの変身は衣装の変更という解釈で表現される。
人間にとって重要なのは実際にどう変わったかではなく、どう見えるかだ。
衣装は機能性よりもギャップを意識したものとなる。
敵を倒したという結果さえ同じなら、過程は多少いじっても誰も困らない。
むしろ深刻なのは価値観の相違で、日本人の生魚を食べる文化だって見る人によっては野蛮だろう。庇護欲をそそる小動物を頭から丸かじりする知的生命体が居たら彼らと仲良くやって行くのは難しい。
人間同士で争っても仕方ないから、異星人の見た目や習慣はシステムによって嘘で塗り固められる。
変身は嘘の上塗りだ。
どのみち擦り合わせが必要なら好感を抱けるよう盛大な嘘を吐いたほうがうまく行く。
嘘はバレなければいい。
プフさんが戦闘体に換装した。
薄く紅を引いた唇が激闘の予感に綻ぶ。危うい感情に目元に乗ったチークが華やかさを演出し、両極にある美しさを同居させていた。
ハイヒールを苦にせず細い糸の上を滑走していく。アシンメトリーの黒いドレスが肌に張り付く。メッシュ越しに覗く鎖骨のくぼみとヘソの陰影も艶かしく、はだけた白い肩との対比が鮮やかだった。
ぴんと張った糸の感触を楽しむように跳んだ。踊るように糸から糸へと飛び移っていく。耳を飾るイヤリングが揺れる。翻弄される人形たちが腕を伸ばすが、彼女の長い髪に触れることすら叶わない。
プフさんの首にしがみ付いているNAiが急に冷めて一言コメントした。
【おっぱいじゃん】
【触りたいのですか? ナイは大胆ですね】
身体機能の向上は精神に高揚を齎す。
思わぬ反撃を受け、慌てふためくNAiにプフさんは艶やかに笑った。
人形の腕を側転して躱し、頭を踏んづけた。勢いを殺さずに流れるような後方宙返り。人形たちが亡者の群れのように一塊となって迫る。この時を待っていたとばかりにプフさんが先頭の人形の首を槍で刎ねて足場にする。押し上げる人形たちの力を利用して自らの身体を強く蹴り出す。高く、伸びやかな跳躍。竜巻に呑まれたかのように空高く舞い上がり、ぴんと伸ばした足を軸に五回、六回と身をひねって軽やかに降り立てば、そこはもうクリスピーの眼前だ。側頭部から生える湾曲した角の先端に立ったプフさんが【マレ!】と名を呼ぶ。強い信頼がこもった声だった。
この時の出来事をマレは一生忘れないだろう。
なんの偶然か、「マレ」という音は漢字で「稀」と書く。意味はめったにないこと。彼女は神の祝福を受けている。
その祝福すらマレの孤独を深める。彼女はきっと特別な存在になどなりたくなかった。彼女はいつだって自分を認めてくれる存在を求めている。同族と呼べるものはなく、もちろん家族も居ない。この世でたった一人の存在。
そんな彼女にとって能天気に生きるはぐれ天使はずっと気になる存在だった。
NAiの境遇はクァトロくんと似ている。同族から引き離され、故郷に戻る手立ては見当すら付かない。なのに深刻さなどカケラもない。マレに甘やかされて堕落した天使は、いつしか彼女の生き甲斐になった。
そして今、NAi以外にも自分の名前を呼んでくれる人が居る。
マレがプフさんの背中から身を乗り出してクリスピーの角に手で触れた。
次の瞬間、クリスピーを取り巻く夥しい量の戒律が俺たちの目にもハッキリと見えた。
それらがマレから我先にと逃げ出すように大きくたわむ。
高密度に凝縮された戒律が祓われた怨霊のようにクリスピーから剥がれ落ちていく。
クリスピーが悲鳴に似た甲高い咆哮を上げる。
アナウンスが走る。
【Armor Break!】
ポチョ……。
あとは任せた。
俺は、あのバカ野郎をブン殴る。
俺は束ねた触手で拳を作って突進した。ゴミどもに向けて叫ぶ。
【クリスピーはマレと同じだ! ヤツは物理法則の暗号を解読した! 材料さえ揃えればミサイルを作れるッてことだ!】
解読が不可能な暗号は存在しない。暗号の意味がなくなるからだ。
ゴミどもっ……伝わってるか?
俺は触手で地を叩きながら祈るように思う。
分かるかっ? スマイルがどんなに凄ぇ指揮官だろうと、サトゥ氏がどんだけ強かろうと、俺らの主戦力はお前らなんだ……! 俺はお前らよりもちっとばかし頭が回るかもしれねぇーが、お前らほどには戦えねえ……!
お前らはいつもテキトーだ。廃人ほどガチじゃねーし、リリララみてーな化け物じみたセンスもねえ。一回狩りに出たら露店巡りしてキレーなチャンネーの尻を追っ掛ける。その程度の情熱しか持ち合わせてねぇ。
けれど、これはゲームだから。そういうプレイヤーばっかだし、必死にがんばってもお前らのリアルが充実することはねぇ。
でも、だからこそ、お前らには同程度の仲間がいっぱい居るだろ……!
この世界で俺たちは自転車一つ満足に作ることができない。作れるならとっくに作ってる。徒歩より断然速いのだから。もっと言えば車だ。
このゲームはVRMMOだから、プレイヤーは放っておいたらいつか勝手に車両や兵器を作る。
モンスターは強いが、多少強化された人間が倒せる程度でしかない。強さの上限はあるのだ。
当然、車で撥ねれば無事では済まない。
そうした事態を未然に防ぐために、このゲームは物理法則に一種のロックが掛かっている。それが暗号化だ。
一定の法則はある。解読は不可能ではないだろう。と言うより解けない暗号には意味がないのだ。敵に通信を傍受されても作戦がバレないように考案されたのが暗号なのだから。つまり味方には解けるようになっている。
とはいえ宇宙人が作った暗号を解読するのは現実的ではない。
種族人間には難しいだろう。結局のところ時間が足りない。
しかしクリスピーにはいくらでも時間があった。
おそらくは感覚的に何をどうすればどうなるのか分かるのだ。
そして……その遣り方には致命的な隙がある。
何か一つでもミスをした時、ロックが掛かるということだ。
そして俺たちは……。
寄り集まれば運命をも覆す力を持っている。
サイコロの出目を増やす固有スキルだ。
クリスピーはそのことを知らない。
モンスターは強く、才能にあふれており、ゴミのようなスキルを発現することはないからだ。
最後の一言。俺は叫んだ。
【打てっ!】
非運、悪運のハードラック。
その正体は超劣化版の【奇跡】だ。
俺たちはこれといって何の特徴も持たない種族だから、もっとも原型に近いスキルを習得する。
この世界を構成する戒律を乱し、放ったサイコロが割れて出目が「6+1=7」になるといった下らない奇跡を起こす。
俺たちの固有スキルは計算できない。
感覚では未体験の出来事に対応できない。
クリスピー。お前は先生から何を学んだ?
これは、とあるVRMMOの物語
お前、死ぬのか?
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