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ギスギスオンライン  作者: ココナッツ野山
102/977

挑め!新マップ

 1.ちびナイ劇場


【けっかはっぴょー!】


 結果発表である。

 おぅ、そうか。俺たちはダメだったが、希望はまだ潰えていなかったんだな。きっと他の国のプレイヤーが何とかしてくれたに違いない。

 そう、ョ%レ氏は結果如何で予定を前倒しにする準備があると言った。いよいよ新マップが解放されるのか? ワクワクするぜ。

 ちびナイが封筒を取り出して中の手紙をガサガサと広げる。手紙に視線を落としたちびナイが【うっ……】と呻き声を上げた。えっ、何だよ。ダメだったのか?

 ちびナイはこほんと一つ咳払いをした。


【えー。一部のプレイヤーは凄惨な死を遂げたようです……が、全体としてはそう悪くない結果だったようですね!】


 ふむ。その一部のプレイヤーとはよもや俺のことではあるまいね? まさかな。家で女に刺されて死ぬってのは俺の中じゃ割と上等な部類だ。まぁひどいっちゃひどいが。

 ふっ、世界は広いぜ。下には下が居るもんだ。下を見て行ったらキリがねえな。

 俺は、この世界のどこかに居る凄惨な死とやらを遂げた誰かを思い、小さく笑った。

 他人の不幸は蜜の味。黒く熱く、甘い……これが快楽の味か。いい気分だ。

 さあ、結果はどうなんだ? 言ってみなよ、【NAi】……!


【それでは、さっそくョ%レ氏にお伺いを立ててみましょー!】


 お、おお。結論を下すのはョ%レ氏なのか。そりゃそうだよな。運営ディレクターだもんな。他に社員が居ねえなら社長なんじゃねーの?って思わなくもないけど……。


【さあ、プレイヤーのみんなも一緒に! せーのっ、ョ%レ氏〜!】


 ョメルッガッ!ヴァー!(喀血)レ氏〜!

 俺たちはちびナイと一緒に叫んだ。完全にヒーローショーのノリだ。以前はアホらしいと思ってたけど、やってみると案外楽しい。そしてョ%レ氏の名前は%の部分が俺たちには発音できないので、ちびナイに無理に合わせようとすると舌を噛むことになる。表記通りにョパーセントレ氏と呼ぶとあのタコは全然違うとか言って怒るのだ。実際に全然違う。しかし物理的に不可能なのだ。ョ%レ氏に怒られない範囲まで持っていこうとするなら、もう最初から舌を全力で噛んだ方がいい。そう、大切なのは熱意だ。口から血ぃダラダラ垂らしながら、俺たちはョ%レ氏の登場を待った。


【少し気に入らないが……】


 パッとスポットライトが灯った。


【まぁいいだろう】


 ョ%レ氏だ! ひゅー!

 ゲーマーは新マップのためならプライドを舌ごと売り渡せる。ラスボスに靴を舐めろと言われても平気で舐めるだろう。

 舞台袖からョ%レ氏が偉そうに出てきた。秘書よろしく斜め後ろにちびマレを伴っている。

 ちびナイがぴょんぴょんと飛び跳ねてタコ野郎を歓迎している。


【ョ%レ氏〜! これ! これ結果です! みんな頑張ってくれたみたい!】


 ちびナイが差し出した手紙を、ちびマレが受け取った。内容をチェックしたちびマレがョ%レ氏に恭しく差し出す。たったそれだけの遣り取りに、表向きは仲良くしている三人の間に走っている亀裂が見え隠れするかのようだ。

 一瞬だけちびナイがちびマレに向けた、ひどく冷たい眼差しを俺は見逃さなかった。

 大丈夫か、こいつら。他人事ながら心配になる。おっと、俺は他人の心配してる場合じゃありませんでしたね。ははっ。

 俺が軽く自虐などしていると、手紙にさっと目を通したョ%レ氏と目が合った。いや、気の所為かもしれない。ちびナイ劇場に強制召喚されたプレイヤーは観客席に押し込まれるのだが、周りに居るプレイヤーはコナンくんの犯人みたいになってて誰が誰やらさっぱり分からない。過疎っても安心の黒子方式である。

 ョ%レ氏は手紙をむしゃむしゃと食べた。……何故食った?


【なるほど。確かに予想以上の結果だ】

【でしょでしょ〜!?】


 ちびナイがョ%レ氏に媚びている。

 ……何だ? 思えば、今回のイベントを推進したのは【NAi】だった。この鬼畜ナビゲーターは俺たちに何をやらせようとしてるんだ? 普通に考えれば、対立関係にあるらしいョ%レ氏を倒すことが最終目標になるんだろうが……。当のョ%レ氏に進捗状況を把握されてるってのは長い目で見ればマイナスなんじゃないか?


(プレイヤーの殺害を企図した際、私に祈りを捧げなさい)


 ……【NAi】は俺に種族人間の穢れた魂を集めさせようとしていた。それに関してはおおよその見当が付いている。おそらくは俺に仕込んだチートの種が発芽するタイミングをコントロールするためだ。結果的にョ%レ氏に【戒律】を刻まれたことで俺は生き延びたが、そうじゃなくても【NAi】は何らかの延命手段を用意してたってことだからな。

 女神の加護には、何かしら大きな秘密が隠されている。加護を解析したマレは、プレイヤーそのものに何かが仕込まれていると言った。プレイヤーを皆殺しにすることで、その何かに手が届くという口振りだった。

 マレの加護対策と【NAi】の依頼。二つに共通しているのは、プレイヤーの死だ。祈りってのはフェイクか……? プレイヤーを殺せと言われたなら、俺は殺しを見合わせたかもしれない。

 いや……。俺はそこで考えを打ち切った。俺が考えることじゃない。俺は鍛冶屋だ。ラストバトルなんてものがあったとして、俺はそんなものにレギュラー参戦する気はない。精々エンディングでチョイ役出演して「あいつら、やったのか……!」とか言ってフェードアウトするのが似合いの配役ってもんよ。

 そう、俺は今のポジションが割と気に入ってる。人間関係はちょっとアレだが、ウチの子たちは軽くお触りしても許してくれそうだし、温泉マップが解放されたらアットムは強力な切り札になる。あいつは育った女に興味がないからな。仮に肩車せざるを得ない状況になったとしても、どっちが上になるかで揉めることがない。俺とアットムは性癖という点において決して相容れることはないが、それゆえに共存は可能なのだ。

 俺は顔の前で両手を組み、今すぐではない未来への展望を脳裏に刻み込んで行く。そうよ。デキる男は目の前のことには囚われない。常に先を読む。当然、女キャラもバカじゃない。水着持参くらいの対策は取るだろう。だが、例えば水着の素材が足りなければどうだ? それも温泉マップが解放される前からならば。……生産職の相互組合の協力が要るな。女キャラに気取られればその時点でアウト、か。しかし徐々に供給を絞っていけば、勘のいいプレイヤーは気付くだろう。何らかのダミーが必要だ。不自然とは思われない何かが……。

 俺が壮大な計画を練っていると、ョ%レ氏が触手をうにょると掲げた。どう見てもタコだ。しかし中身は別物なのである。デスピサロみてえな牙しやがって……。


【ナイ。良くやったな】

【……は?】


 ョ%レ氏が改心したゲンドウパパみたいなことを言い始めた。のみならず、うにょると伸ばした触手でちびナイの頭を撫でる。


【ちょっ、何して……! やめっ、やめろっ! さわんな!】


 抵抗するちびナイを、ョ%レ氏は構わず撫でくり回す。そのままうにょると触手を伸ばし、ちびナイの全身に巻き付きホールドした。高い高いされたちびナイが喚き散らす。


【やめろーっ! はっ、離して!】


【マールマールのことではない。よし、いいだろう。ナイの功績を私は評価する。一つ、重要な話をしよう。プレイヤーの諸君】


 ちびマレが凄い目でちびナイを見ている。

 姉妹の仲は既に取り返しがつかないほど破綻しているようだが、ョ%レ氏は高い高いをやめる気はなさそうだ。


【私は、このゲームのクリアに三世代を想定している。つまり一世代、諸君らは次世代へと技を伝え、知恵を伝承する役目を担うことになるだろう】


 ほう。それは嬉しいニュースだな。エンディングは用意されているが、時間が足りなくてクリアできない。それは、ある意味においてゲーマーの理想である。問題は途中で飽きるかもしれない、ということなのだが。

 ちびナイの悲鳴を背景にョ%レ氏は淡々と今後のマップロードを語っていく。


【無論、諸君らの代で決着を付ける方法はある。遣りようなど幾らでもあるのだ。この私にとっては。しかし諸君らにも生活というものがあるだろう。人生を全て捧げろとは言わんよ。それは公平ではない。まったく公平ではない。私は公平さを好む。いや、公平でないことが嫌いなのだ。気に入らない。それは第三者から見てどうかではない。私の中で折り合いが取れるかどうかだ。これ以上は私のプライベートに関わる話なのでね。割愛させて頂くよ】


 暫定エイリアンのプライベートか。悔しいけど興味あるな。やっぱり宇宙連合とかそういうアレなのかな。各国政府はガン無視してるけど、ョ%レ氏って月に住んでるっぽいんだよな。核とか打ち込んでも倒せねえのかな。倒せないんだろうなぁ。自家UFOみたいなの持ってるし。

 恒星間戦争とか平気で言う割にはエイリアンであることを頑なに隠そうとする地球外知的生命体は、触手を一本立てて【ただし】と言った。


【ただし、だ。私が考える以上に、諸君らはゲームというものに慣れ親しんでいたらしい。正直、驚いたよ。こうまでリアルを犠牲にするγ体は珍しい】


 何て? 今なんて言った?

 何とか体? 俺たちのこと何とか体って言ったよね? 何それ。話の流れから言って知的生命体のこと? 宇宙的なアレだと俺たちはその何とか体っていう分類に入るの?

 ちょっと待ってよ。そういうのホントにやめて欲しい。俺ら、ゲーマーだからね? 割と駄目人間の集まりだから。地球の存亡を賭けてどうにかするっていう層じゃないから。そういうのは政治家の仕事だから。政治家のみなさん、ちゃんと見てる? なんか重要っぽいワード出たよ? 大丈夫? でも見てたら見てたで何遊んでんだって国民はキレるからね。ちゃんと仕事してね。その上で、あとで誰かから聞いてください。お願いしますね。

 ョ%レ氏は遠回しに俺らをディスってくる。


【私は認めよう。諸君らは形のない、後に何も残らないデータに私財を投げ打てるという面において稀な資質を持ったγ体だ。何故このような短絡的な生物が悪質なウィルスのように繁殖するに至ったのか、非常に興味深い。まぁ単なる運なのだろうが……】


 おいおい、予想を遥かに上回る勢いでディスってくれるじゃねえか。運だと? 結構なことじゃねえか。俺らの間で最強のジャンプヒーローはラッキーマンっていう結論はとうに出てるんだよ。俺は発行部数が強さっていう理屈で悟空だと思ってるんだがな。パワーイズマネーだぜ。


【然るに、諸君らは……思ったよりもしぶとい。振り落とされずによくぞここまで辿り着いた。マールマールの撃破率に関しては、はっきり言う、落第だ。私が想定するラインを下回った。主な原因は内部抗争だ。具体的な目的を与えればあるいは団結するかとも思ったのだが、そのようなことはまったくなかった。猿の方がよほどうまくやるだろう。それは動かし難い事実だ】


 そんなことないでしょ。お猿さんはゲームできないよ。キャラクリ突破すら怪しいじゃん。


【猿はゲームできない。そのように考えた者も居ることだろう】


 くそっ、読まれてる。


【私は今重要なヒントを与えたぞ。諸君らは猿にも劣る。これだけのプレイヤーが居て、気付いた者はごく僅かだった。非常に遺憾だ】


 ……えっ。

 えっ? あっ、テイマーの話か?

 ど、動物もログインできる……ってことか? い、いや、無理だろ。無理じゃ、ない……のか? しかしどうやってキャラクリさせるんだ? 訓練して……? いや、無理でしょ! そもそも一人くらい試したやつ居るだろ! 試して……どうなった? 報告が上がったの見たことないな。何かあったのか?

 何故……ョ%レ氏はヒントを出した?

 ョ%レ氏はうにょると触手を掲げた。


【パートナーと共に同時ログインする方法はある。それが、この……】


 ョ%レ氏がくるりと触手を回すと、そこに手品みたいに一枚のディスクが握られていた。

 ハード本体に挿入するソフトだ……。

 このゲームは、別にソフトを入れなくても起動する。いや、説明書にはソフトを入れろと書かれているし、初めて起動する時は入れなくては起動しない。しかし、二回目以降はうっかり入れ忘れても謎の発光物体を握ればログインできる。多少、嫌がられるが。

 だから俺は、てっきり単なる音源ソフトをゲームソフトと偽って販売しているのだと思っていた。パソコンに入れて回してみると、テーマソングが流れるのだ……。例の、やたらポップでキャッチーな感じのテーマソングが。副旋律だけ取り出すと一転して世界の終わりを告げる嫌なテーマソングが……。

 なお、ソフトは別売りである。

 ョ%レ氏は……。


【税別で¥5800。良心的な価格で提供している……】


 静かな声で、営業を始めた……。


【ソフトの挿入口は、二つある。そう、私はハードを二つ買えとは言わない。私は良心的な経営を好む。ソフトは餌だ。二枚目のディスクを近付けると、彼はとても喜ぶ。角度に気を付けるといい。もう一度だけ言う。大切なのは角度だ……】


 こ、このタコ野郎。なんて……あこぎな商売しやがる。

 だが、ちょっと待って欲しい。仮にョ%レ氏の言う通りペットと一緒にログインできるとして、ペットを飼ってないやつはテイマーになれないってことか? そりゃあちょっとひどくねえか? 公平とは言えねえだろ。

 するとョ%レ氏は、俺の内心を読んだように悪魔じみた微笑を浮かべた……ような気がした。


【その為のギルドだ】


 アッー!

 俺は仰け反って観客席の背もたれにぐったりと身を委ねた。

 そういう、ことだったのか……。

 このゲームは……クソ虫を飼えるのだ。おそらくは二枚目のソフトを謎の発光物体に与えてクソ虫に接触すると、何かが起きる。

 ゴミとゴミの織り成す、ハートフルVRMMO……。

 それが、GunS Guilds Online……。


 営業を終えたョ%レ氏が、うにょるうにょると触手を大きく掲げる。ちびナイはぐったりしている。もはや叫ぶ元気もないようだ。それは俺も同じことだった。

 ョ%レ氏が宣言した。


【今ここに新マップの解放を宣言する! 冒険者たちよ、新天地へと旅立つがいい! 新たな冒険が諸君らを待つだろう! そしてソフトを買い給え! 櫻井くんがうるさいのでな。無駄な機能だと? ほざけ、ヒューマンめが】


 世の中、金だな。

 さすがに二枚目のソフトは買えねえよ……。

 ぐったりしたちびナイを引きずって舞台袖へと消えていくョ%レ氏を見送りながら、俺はゆっくりと意識を手放した。



 2.古代遺跡-雪原


 新マップが解放されたぞ。やったぁ。

 ひとまずテイマーのことは置いておくとして、俺含むゴミ一同は我先にと新マップに駆けつけた。

 新しく解放されたのは、マールマール鉱山と隣接する雪原マップだ。

 久しぶりの新マップということもあり、プレイヤーは大喜びである。テンションもおかしい。

 うわっはー。クソ寒〜い! 防寒具なんて持ってないや。これは凍死不可避ですねぇ。服屋が儲かるわ。

 まぁ凍死は後でもできるからな。ひとまず女神像を探してセーブしないと。

 考えることは皆一緒だ。猛吹雪の中、俺たちはキョロキョロと辺りを見渡す。

 あっ、サトゥ氏が居る。サトゥ氏〜。

 俺はサトゥ氏を見つけてブンブンと手を振った。


「コタタマ氏〜!」


 俺たちは駆け寄ってキャッキャと手を打ち合わせた。

 マールマールさんとのリベンジマッチで全力で裏切ったけど、そんなことは新マップの前では些細な問題である。


「クソ寒いな! 俺、眠くなってきた!」


 俺も俺も! さっきから鼻水止まらないよ! つーか鼻水凍った!

 キャッキャ、キャッキャ。


 ああ……。

 寒すぎて死にそう……。

 とっても、眠いです……。


 今にも落っこちそうなまぶたをこすっていると、サトゥ氏が不意に頭上を仰いだ。

 なに? 何かあるの?

 俺も上を見る。あ、なんか……光った? なんだろ。ん〜。俺は目に力を込めた。

 おお……。あれドラゴンじゃね?


「ドラゴン!?」


 ドラゴン!?


「ちょっ。なんでコタタマ氏がびっくりするのよ。ちゃんと見て。ほら。肩車しとく?」


 ん〜。おねむな俺は特に疑問を覚えることなくサトゥ氏に肩車して貰った。

 ドラゴンっつーか……ロボだな。いっぱい居る。お空を飛んでるよ。


「ロボ? どっち?」


 どっちっつーか……どっちも? メカドラゴン。こっちに近付いてきてるから、そろそろサトゥ氏にも見えるよ。見てみ。メカだから。そんでドラゴン。


「どどど、ドーラゴーン!」


 おお! ドーラゴーン!

 もはや俺たちは頭が働いていなかった。

 そして、それは他のプレイヤーも同様であった。

 ぐんぐん近付いてくるメカドラゴンに、俺たちはアホみたいにブンブンと手を振った。

 このゲームのモンスターはどれも動物チックというか、デカい!説明不要!みたいな感じなので、いかにもモンスター!という感じのドラゴンに俺たちは大興奮。しかもメカだ。男の子はメカが大好き。二つ揃ったら、もうヤバい。盆と正月がいっぺんに来たような感じだ。いや、それは何か違う気もした。


「輪だ! 輪になるんだ!」


 サトゥ氏が意味不明なことを言い出した。

 しかし俺は「なるほどな!」と謎の納得をしてサトゥ氏と手を繋ぐ。脳みそが半分凍っていた。言うまでもなく他のプレイヤーも一緒である。

 どどど、どーらごーん!

 俺たちはドラゴンの歌を唄った。寝るな。寝たら死ぬぞ〜。定番の遣り取りをしながら輪になって踊る。

 メカドラゴンが上空でホバリングしながら、一斉にかぱっと口を開く。

 みゅんみゅんみゅんみゅん……。

 何やらチャージし始めたぞ。うひっ。

 うーん。見た目は凄い強そうだけど、レイド級じゃないみたいだな。アナウンスが流れない。まぁ数居るしな。


 おっ、サトゥ氏。見ろ。ギャリック砲だ。メカドラゴンが口からギャリック砲を撃とうとしてるぞっ。


「マジかよ! なんでギャリック砲チョイスなの?」


 俺はベジータ派なんだよ! スゲー! ドラゴン、スゲー! 避けたら星ごと粉々になりそうだ!


「ちくしょう! 考えやがったな!」


 わっはっはー。わっはっはー。

 はぁ……。楽しっ。

 メカドラゴンが一斉にレーザー砲みたいなのをブッ放した。

 標的は、言うまでもなく俺らである。


 じゅんっ


 俺たちは蒸発して死んだ。



 3.マールマール鉱山-女神像


「ふう……」


 死に戻りして脳が解凍された俺は、溜息を吐いて地面に座り込んだ。

 死に戻りしたプレイヤーが続々と俺と同じように地面に座り込み、思い思いに溜息を吐く。

 俺は頭を抱えた。ぼそりと呟く。


「滅びのバーストストリームかよ……」




 これは、とあるVRMMOの物語。

 なお、眷属の模様。



 GunS Guilds Online


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― 新着の感想 ―
[一言] 面白すぎてお腹痛い
[一言] 「輪だ! 輪になるんだ!」  サトゥ氏が意味不明なことを言い出した。  しかし俺は「なるほどな!」と謎の納得をしてサトゥ氏と手を繋ぐ。脳みそが半分凍っていた。言うまでもなく他のプレイヤー…
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