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193話 出発1

 レーシャとの一件の後、朝食をみんなで朝食を取った訳だが、味なんてまったくわからなかった。

 それというのも、俺がリアネとレーシャ、二人との事を思い出してしまい、変に意識してしまったせいだ。


 それは二人も同様で、おそらく食事を楽しむ余裕なんてなかったはずだ。


 二人ともこちらをちらちら見ては、俺が視線を向けるとすぐに視線を逸らしてたし、食事が進んでるようには見えなかった。

 まぁ俺の方も少しでも目が合うと、すぐに逸らしていたけどな。

 こういう所で、恋愛経験のなさが出てしまった……。


 きっと周りからは俺達はかなり変に見えていた事だろう。


 そんなこんなで、気恥ずかしい思いをしながら朝食を取り終えた俺は玄関へと向かった。

 もちろん今回同行するディーネも一緒だ。

 首には俺の奴隷の証である無骨な首輪が嵌められている。


 俺としてはあまり奴隷とわかるような感じの首輪じゃなく、腕輪にして欲しいと言ったんだが『こっちの方がお主の奴隷とわかりやすいじゃろ?』と返って来た。

  


 玄関を出ると四人の男女が待機していた。


 四人の中で一番身長の高い、二メートル近い無精髭を生やした三〇前半くらいの歴戦の戦士のような貫禄がある青髪の男。

 背中に大剣を背負っており、防具は皮鎧くらいだ。

 

 次に青髪の男とは対照的な、身長、一四〇センチ前半の緑髪のローブを来た見た目十代前半くらいの緑髪の少女。

 垂れ目が印象的だ。

 ファンタジー世界に出てくるような(この世界自体、俺にとっては ファンタジー世界なのだが)木の枝の先に透明な水晶をはめ込んだ杖を所持している事からおそらく魔術師か治癒士だろう。

 どっちかわからんので後で聞いてみるか。


 最後に金髪を短く切り揃えたつり目の女性。

 年齢的には俺より少し上くらいだろうか。

 年上美人さんといった感じだ。

 腰に二本のレイピアを携えていて胸には俺と同じブレス・プレートを装備している事からスピード重視の剣士と推測。 

  

 後はバックスだけだが、彼はロングソードにバックラーを装備している。


 みんな見事に装備はバラバラだ。

 元騎士だと思っていたからてっきり同じ装備だと思っていたんだが、どうやら違うようだ。

 


「おはよう」


「「「「イチヤ様、おはようございます!!!!!!」」」」


 とりあえず挨拶をすると五月蝿いくらいの返事が返ってくる。

 テンション高いな~。


 瞳をキラキラ輝かせているバックス達。

 その姿はまるで遠足を楽しみにしている子供のようだ。

 よほど自分達の実力を試したいのか、気合十分といった感じ。


 嫌々行くよりかは全然良いのだが、どうにも暑苦しく感じるな。

 騎士って体育会系のイメージだからイメージ通りっちゃイメージ通りか。  


 さて、これからいよいよダンジョンへと向かう訳なんだが……。



「そんな装備で大丈夫か?」


 

 俺の方の準備はこれ以上ないくらいに万全だ。

 何しろリアネが、アルにダンジョンに必要な物を事細かく聞いて準備してくれた。

 その質問時間は二時間半にも及んだらしい。


 一昨日アルがげっそりした様子で愚痴って来た姿は印象的だった。


 そういう訳で、ダンジョン探索に必要な物はマジックバックに既に用意されている。

 装備に関しては創生魔法を使い、ロングソードと あまりゴテゴテしたのが好きじゃない俺はブレス・プレートのみを用意した。

 とりあえずはこれでダンジョン探索をしてみて、必要であれば装備を固めていこうと思っている。


 創生魔法や物質変化を使えば、武器や防具がすぐに修繕出来るし、必要な装備を創る事が出来るのでありがたい。

 本当にこの俺のもらったスキルがチート過ぎる。


 俺の装備についてはこんな感じでどうとでもなる。

 問題は彼等の装備だ。


 

「「「「大丈夫です!! 問題ありません!!」」」」



 その返答は大いに不安を掻きたてられるんだが……これ、死亡フラグじゃないよな……?

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