episode1 side:魔王 第一話~魔王の朝はトイレから始まる~
うなり声が聞こえる・・・・城中に響く苦悶の声。
薄暗い廊下を抜けた先にある部屋、黒と赤を基調とし実用性と威厳を兼ね備えた作りの部屋の隅。
声はここから聞こえる。今までの雰囲気とは違う白を基調とした部屋。
清潔感に溢れ花柄の絨毯が引いてある
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そう、ここはトイレである。
中にいるのは次の魔王を名乗る少年。
少年は彼此1時間近くトイレに入っている、別に趣味ではない。
お腹を壊すのはいつものことであり長い時には2時間半以上も入っている時もある。
コン、コン
扉を叩く音に少年は待機を命じる。
「君が今の魔王かね?」
扉越しにかけられた言葉に少年は驚いた。
この城は言うまでも無く魔王城、でありこの城の中で自分に対してこのような言動をとる部下はいない、つまり完全な部外者ということになる。
そして、魔王城に来る部外者といえば一人しかいない。
少年は困った。相手が勇者であれば戦うことが魔王の宿命、しかし今自分がいるのはトイレの中でさらに用をたしている真っ最中であることである。
少年は姿の見えぬ来客に終わるまで待ってくれるように頼み、了承を得た後、人生最後となるかもしれないトイレを済まし手を洗い、意を決して扉を開けた。