1/11
プロローグ―集められた志願者―
「ああここが……」
気付いたときにはこんなところにいたという大名手と共にあらゆる職種の服を着た人々が一箇所に集められ、みなある一点を見つめている。
背景が暗黒とした空間で一筋の光と人を見つめる状況は誰が見ても狂気的映像である。
そうとはここにいる誰もが気にせず、あの物を手に入れるだけのために光の中心に立つ者の話に耳を傾け、長考する。
光のおこぼれを貰っている者に視線を向け、この場にどんな奴がいるかを確認する。
「ではご武運を」
運を祈られても困るがそれよりも深刻なのは俺だけはあの者に耳を傾けなかったことだ。
それにより分かる情報も他人とは関わってない俺では希少価値も上がり、必然的に情報弱者になる。
「あっもう始まるのか」
急な眠気は開始のゴングのように訪れ、それはここにいる参加者共通の合図。
同じ症状で眠りを誘われ次々に倒れでいく。
薄れていく意識の中で俺はとあるものを目にしていた。
「これから……の…未来か……」
絶望の記憶だけを残して眠りについた。