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エッセイアラカルト

占いがトラウマを煽ってくる

作者: 降井田むさし

 牛肉を買った。牛肉を食べた。牛肉は美味しかった。


 牛肉は、他の肉に比べて高価。だから、たまにしか買えない。


 かなり安かった。だから、久し振りに買って、牛丼にして食べた。美味しかった。


 買うときに、消費期限まで4日もあった。だから、買ったのもある。



 ただ、消費期限前日に、その牛肉を使おうとした時。違和感を感じた。


 色が、少し変わっていたのだ。まだ、一日余裕ある。


 なのに、悪くなったのか。そう思って、ニオイを嗅いでみた。


 ヤバかった。強烈なニオイに、吐き気を覚えた。


 そのニオイが、トラウマとなって、今も残っている。それが、牛肉の印象として、しっかりと体内に残ってしまった。





 テレビやスマホなどの、占いは好き。

好きで見る方だ。


 だから、いつものように、見ていた。そこに、牛丼が出てきた。ラッキーフードとして。


 牛丼を作って食べた、2日後くらいだった。でも、何もおかしくない。まあ、それは普通のことだろう。


 でも、今日のラッキーフードが、牛丼。牛丼を食べればラッキー。そう思うだけで、あのニオイを思い出していた。


 ピンチだったが、チャンスでもあった。イメージを、上塗りするチャンス。


 この日に、正常な牛丼を食べて、あのニオイを掻き消したかった。でも、そんな勇気出なかった。


 もう少し時間が経ったら、牛丼にチャレンジしよう。そう思った。


 その考えで、なんとか落ち着いた。その日は、普通に過ぎていった。


 それなのに。あんなことが、起こるなんて。想像になかった。





 一日前に[ラッキーフード⇒牛丼]と書いていた占い。それと同じ占いを、その日も見てみた。


 すると、予想外の言葉があった。口が、開いたままになった。ポカンとなった。


 牛肉の文字が、あったのだ。忘れようとしていたのに。こんなことになるなんて。


 牛肉を、二日連続でラッキーフードにする。それは、しょうがない。意図的でない占いなら、仕方ない。


 ラッキーフードは牛肉。そう、水晶やらカードやらに、伝えられたのならいい。


 でも、煽られた気分になった。占いの何かしらが、僕にイタズラしようとしている。そう、思ってしまった。



 ただ、あることを思い出した。それで、少しは落ち着いた。


 その占いは今までも、片寄りすぎた占いを繰り広げてきた。そんな、過去があるのだ。


 ラッキーフード。それが、ほぼサラダだった週があった。一週間の半分以上が、[〇〇サラダ]だった時があった。


 ガリガリだね。痩せてるね。そう、よく言われる僕からすると、皮肉だと思った。


 そんな占いが言うなら、仕方ない。ひねくれ占いなんて、可愛いものだ。


 これから、牛肉とどう向き合うのか。考えた。考えて考えて、少し休んで、考えた。


 ハンバーグから入って、徐々に厚い塊肉に、移行していく。それが、いいかもしれない。


 占いの煽りに、負けない。絶対に、負けない。負けてはならない。絶対に、負けてはならないのだ。

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