幼馴染に幻想を持ち、ざまぁが嫌な輩が送るSS『裏切りの幼馴染と缶コーヒー』
あえて言おう! 幼馴染敗北、ざまあ展開は大嫌いだ!!
それは些細な事から始まった。
今年で互いに中二になる幼馴染であるコイツとは、家が隣りである事から顔を合わせる事が多く、昔からよく遊びよくケンカして来た。
異性と言う事で学校での会話は少なくなったものの、家同士が仲が良いと自然と正月などイベントの時には顔を合わせ、その時には互いに変わらない態度で交流は続いていた。
今回はたまたまクリスマスの日、たまたま二人きりになった瞬間に勃発した本当に子供じみた言い合いが発端だったのだ。
「まだブラック飲めないんだ、お子ちゃまね~」
「んだと!? お前まさか……」
「愚問ね。誰かさんと違って大人な私は苦みの中の旨味すら感じとる事が出来るのよ」
「て、てめぇ……幼いあの日にかわした『苦い物嫌い同盟』を忘れ、抜け駆けしやがったのか!?」
「そんな昔の事は忘れたわ」
パーティーだからと大量に買いこまれた缶コーヒーの中で、表記に無糖と書かれた缶を手にしたヤツは、しっかり砂糖入りを手にした俺に向かって小馬鹿にするように掲げた。
コ、コイツ……あの日、互いにピーマンが嫌いと言う事で意気投合し、今後の人生で苦い物は徹底して避けて歩くという熱き誓いを忘れやがって……。
「あれあれあれ~もしかして君は飲めないのかな~? まあ君のようなお子ちゃまにはミルクと砂糖が無いと無理かもね」
「…………何言ってる。飲めるに決まってんだろ……実は無糖が袋の中に無かったから仕方がなく砂糖入りを取っただけで、俺も実は無糖が良かったんだよな~」
嘘である……俺は未だにブラックコーヒーなんぞ飲む気にもならん。
でも今袋の中を確認したら無糖コーヒーは一つも無かったのは確認済み、こうなればヤツから『じゃあ飲んでみろ』と言われても回避する事は可能。
と、そう思って安心していた俺は浅はかだった。
「……じゃあ、まだ半分あるからコレ飲んでみてよ」
「………………え?」
そう言って差し出されたのはたった今、コイツが飲んでいたコーヒー。
中学になってから成長著しく、ボーイッシュだったのが最近急激に女性っぽく、かつ美少女が美人へと変貌していて……実は最近は目のやり場に困り始めていたコイツが、たった今、口を付けていた缶コーヒー。
え……っと……つまりこれってかん……間……間接…………。
唐突に挑発に対する怒りとは違う方向で体温と心拍が上がって行く。
「あれ~? やっぱりお子ちゃま?」
「………………いただきます」
幼馴染の関係に幻想と憧れを抱く筆者の妄想……失礼いたしました<(_ _)>
書籍化作品『神様の予言書』
物語の雑魚敵が改心したら……という『チートなし』物語です。
宜しければご一読下さい。
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書籍化作品
『疎遠な幼馴染と異世界では結婚している夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが?』
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