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1話 ここはどこ?私はだれ?

自分なりに納得できる異世界転生ものを目指して連載していきます!よろしくお願いします。


俺の名前は藤田明人だ。現在大学に通っており、優秀だったので一年から研究室に入って研究している。


この研究室は不思議なものでほかの研究室がある大学のキャンパスではなく、教授の所有している大きい校舎のような建物にある。


今日はいつも通り研究をしてやっと一日が終わった。実際、研究だけではなく最近はアイツが裏でしてきたことの証拠集めをしてきた。そしてやっと今日決定的な証拠を手に入れた。俺は伊藤のことを尊敬していたが彼は間違っている....。彼がこれ以上被害を出さないようにしたいだけではない。ただただ復讐したい。


もう時間は深夜の2時34分。この時間に例の証拠を持ち出しても仕方ない。証拠を持ったことは知られていないはずだ、いや彼の行動を俺が知っているとも把握してないだろう。研究室に用意してある寝泊まり用の部屋で夜を過ごして明日の朝警察にいこう。


今すぐ飛び出したいのだが..


明人は薄暗く飾り気のない部屋の机にバッグを置き、着ていた服のままベッドに入った。


ベッドの隣にあるヘッドセットを持ち上げ被る。ストラップを止め、サイズを調整する。横についている電源ボタンをつけると、内臓ファンが動き出して ウウィーンって音が鳴る。


一番上から出ているケーブルの先を壁のポートへもっていく。


ポートには上から IVA(使用不可) IVB(使用不可) IVC IBD IVE

接続部分をIVAのポートにつなげる。そして横になり目をつぶる。


「ふぅ・・・今日も長かったな」




ん?




何かが変だ。すぐに眠らない。接続したはずだ。。もう”あっち”で目が覚めるはずなのに。


するとヘッドセットから警音が鳴り出した。一秒ごとに低めのコンピューター音的な警音がなる。


これはまずいのでは...ハードウエアのほうは専門外だが一秒ごとに一回の警音は意識移行システムの異常だったはずだ。一番異常が出てはいけないところだ。まずい


目を開けようとするが開けられない。真っ暗だ。体の感覚はまだある。しかし動かない。


「やれやれ。IVAで俺の言うことを聞かなくなったことには目をつぶってたんだがな...お前は優秀だったし惜しいよ」


伊藤だ!!と思った時には意識は飛んでいた。


____________________________________________________


ん..ん?


目を開けると見覚えのない木造の天井が目に入ってきた。右を向くと濁りのある窓から外の光が差し込んできている。


ここは...?


起き上がって周りを見る。


少し広めのベッドルームだ。シングルベッドに机、黒のボロボロのローブがかかっている服かけがある。すべて木造の建物で家具は質素だ。普通の部屋だ。しかし、変に思う点が二つほどある。


一つ目は照明がない。机にはろうそく、ベッドの隣にもろうそくが刺さっている。両方とも短くなっておりそろそろ交換が必要である。電気が通ってないのだろうか。


二つ目はなぜ自分がここにいるかが全くわからない点だ。確かさっき狭いコンクリートの部屋で寝ようとして、よくわからないヘッドセットをつけて...寝て...


あれ?


あの部屋に入って意識が飛ぶまでの記憶があるのだが、それより前の記憶が全くない。何も思い浮かばない。どういうことだ?あれが夢かもしれないと思ったが今いる場所も一切覚えていない。


外を見れば思い出すかもと思い濁った窓を開ける。濁っているのは汚れているのではなくそもそも質が悪いガラスであるからのようだ。


外を見た瞬間、明人はさらに混乱した。一瞬外は真っ白でそこから少しずつ遠くまで見えるようになった。遠くまで屋根が低めの木造の街並みが並んでいる。建物の土台には城壁のような石が並べられており、道は石で舗装されている。


道には馬車が走り、少し遠くに見える大きな川には大きめの帆船が浮かんでいる。


右のほうは中央街だろうか?出店が並び人が多く歩いている。


すごく記憶に残りそうな豊かで綺麗な町だ。


しかし、


全く...見覚えがない。何が起きているのかわからない。

まだ焦るのは早い、なにか怪しいものを食べて記憶が一時的に消えてるかもしれない。そうだ。きっとそうだ。そして、さっきの記憶は夢だったんだ。


そう自分に言い、窓を開けたまま離れる。何かヒントがないか部屋の中を回る。机の上には緑色の小さな袋があって中身を見ると銀や金色のジグソーパズルのようなものが多く入っていた。


取り出してみる。同じ色のピースをくっつけると6個が一つの板になることが分かった。そしてその板には「ビネ王国貨幣」と彫られている。


この変な形、お金だったんだ。価値はわからないが金色のほうが銀や銅より高価なのだろうと予測できた。


机の隣にはバッグがあり中には旅にでた人が入れるであろう、皮製の水筒やナイフ、包帯などが入っていた。また赤や青のキラキラした石というか宝石っぽい物が入った袋もある。


これなんだかすごく高価そうだな…






時間がたっても記憶に変化がないということで明人は自分が何らかのせいで記憶喪失状態になっていることを理解した。


そして面白いことに具体的な記憶は、ヘッドセットをつけて寝ようとして目があかなくなった記憶以外に何もないのだが、一般常識的な知識や言語は忘れていないのだ。


自分の親が誰だったのかは覚えていないが、生物に親という存在はあるということはわかるといったことだ。


また、バッグにあった本が読めた。その本の文字は一瞬見覚えがなかったがすぐに読めた。だが、自分が頭の中で試行している言語、つまり日本語ではないのだ。ラバス語だ。だが、日本やラバスがどこなのかはさっぱりわからない。


ドン ドン ドン


ん?


「おーい、フジタール!!まだ払わねえのか??もう止まり始めてから3週間するのにまだ払わねえのはどういうことだ、あああ?だからお前みてーな一人旅魔術師は嫌いなんだよ」


んん?どうやら俺の名前は藤田ではなくフジタールらしい。。なんだかすごい違和感...



「おーい!」


結構怒っているようだ。前の俺はそんな無責任な人だったのか?それともお金がなかったのか?

机の上にあるのが足りなくてお金を頑張って稼いでいたのか?


それでも彼と話してみないとと思いドアを開ける。そうするとガタイのいい背が高めのおじさんが出てきた。彼はエプロン姿だった。


ごつい声と顔とエプロン姿のギャップであっけにとらわれたがすぐに意識をもどした。


そして、彼は一瞬俺がドアを開けたことに対して驚いた表情を見せたがすぐに真顔になった。


「あの...すみません。どなたでしょうか?」


正直聞いてしまうと相手が余計怒るとは思っていたが、これを聞かないと何もわからない。


「ああ?宿主のザムエルだ。早く宿泊代を出せ。」


宿泊代か。つまりここは宿だ。三週間だと..結構高くなるな...と唾をのんだ。


「値段はいくらですか...?」


「三週間だから銀貨三枚だ。」


銀貨三枚か...ん?銀貨三枚?さっきの財布の中銀色のやつたくさんあったぞ?ジグソーパズルみたいに組み立てた6個の板さっき手混ぜ感覚で軽く6つは作ったのだが。


明人は机に行き財布を拾い上げ、銀貨三枚を取り出す。そしてザムエルに渡す。

遅れた費用も渡しておくかと思い、銀貨を一つ追加した。


ザムエルはあっけにとられたような表情を見せていた。どうやら俺が払わないと思っていたようだ。


前の俺金あるのに払ってなかったのか?実は昔の俺、結構悪い奴な気がしてきた(笑)


「お、おう。追加の分もありがとよ、金さえあればいつまででも泊まっていいぞ」


先ほどまでの怒りは全く感じられず、少し困惑した様子でそう言って離れていった。



困惑しているのはあんただけじゃないよ。明人は思った。

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