おにぎりに転生した私が世界を救うまで。
※こちらは『なろうラジオ大賞2』参加作品です。
深く考えず、感じる感じで読んで頂けると幸いです。
おにぎりに転生した。
何を言っているかわからないと思うが私も何を言っているかわからない。
いつの間にか(多分過労で)死んだ私が初めて目にしたのは美しい青空。お空、綺麗だなぁ…と惚けていたらなんか脱穀され、白米にされ、美味しく炊かれ、兄弟たち(米)と立派なおにぎりにされた。
でも、おにぎりも悪くない。だって誰かの栄養になる。美味しく食べてもらえる。それってなんで素敵。
そんなことを思っていた時期もありました。
私を食べていた冒険者は私をお弁当(口元に付ける奴)をし、それを冒険者仲間が取り除き、指でペイって捨てられた。
ショックで泣きそうな私だったが飛ばされたのは小さな祠。そこの神様が私を哀れに思い、なんと色んなおにぎりになれる能力をくれた。そう、食べても一粒さえ残してくれれば新しいおにぎりに生まれ変われるのだ。いわゆる死者蘇生能力、いや、おにぎり蘇生能力だけど。
そんな矢先、私は1人の少年と出会う。
少年は餓死寸前だったので私はおにぎりの妖精と偽って話しかけた。
「私を食べなよ(イケボ)」
「え、おにぎり喋ってる。キモッ」
少年はおにぎり話しかけられめちゃめちゃ気持ち悪がられたが、無理やり食べてもらうことにした。
するとどうだろう、私を食べた少年はみるみる元気になり、元気になりすぎて大人10人でやっと仕留める高難易度モンスターを1人素手で倒してしまった。
「米は力だからね!!!」
「おにぎりがなんか言ってる。」
結果、私は少年と一緒に魔王を倒す旅に出ることに。仲間もたくさん増え、私は微力ながらもいろんなおにぎりになって少年手助けし、約5年かけて魔王を倒すことに成功。
魔王城の宝物庫にてなんでも願いを叶える石を手にした少年は「妖精さんを人型にして欲しい」と願う。私は人型へと変身。
少年は5年経ち好青年となっていた。周りの仲間は美女もいたが、青年は目には見えずともずっと自分を支えてくれていたおにぎりに恋してた。そのため2人は結婚。
その後は地元で美味しいおにぎり屋さんを営んでいるんだとさ。めでたし。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
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