表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/42

SSSな本数を持つ剣士の幼女

メインストーリー「黒い流星と極彩色の罪人 ー異世界の魔法に対抗するにはパワードスーツしかないー」と同じ異世界なのに雰囲気が全く違うコメディ。

https://ncode.syosetu.com/n6321fs/

「吸血鬼城までは歩いて三〇分くらいです」


 吸血鬼城の周囲は元々毒の沼だったが、今は清らな水源となっている。湖畔の近くの丘にあるのが吸血鬼城だ。


「ゲームで言うなら魔王が住んでそうな場所にありましたけど、この前の《大掃除》で静かな森の湖畔にある古びた城になっちゃいましたね」


「ミキネちゃんはその吸血鬼って見たことあるの?」


「無いです。たまに青い焔を纏った蝙蝠が、宿屋の近くを飛んでいたのでちらほら観察しには来ていたようですが」


「こんな可愛い子のお風呂場を観察するなんて——あたしだってまだ一緒にお風呂に入ってないのに——その吸血鬼はミキネちゃんのすべすべお肌で構成された肢体を、嘗め回す様に上から下までガン見したってわけ?!」


 お風呂を覗かれた記憶は多分ないのだが。


 相沢さんは何かを胸に強く誓ったのか、意識に呼応するように右腕の候が強く輝く。


「なんで右腕が輝いてるんですか……」


「あたしの開発した《シャイニング・退魔フィンガー》を試してやろうかと思って。触れた魔属性は死ぬ。そう、全ての生き物の記憶からもね」


「生きた痕跡と概念すら消すんですか……」


 来世、悔い改めなさいとかそういうレベルじゃない。聖者にあるまじき技じゃねえか。


「わたしも可愛い狐耳娘の普段の生活を常に覗き見したい——一人で浮かれている仕草、一人で鼻歌を歌っているとき、お風呂、トイレ就寝、おはようからお休みまで見守りたい。すべて好きな角度から嘗め回したい——神の導くままに!」


「神はそんな導き方しませんから。ですが相沢さんがいれば実際の戦闘は安心ですね」


 バグっているヒーラーが反則級の技を持っていて助かった。相手がどんな不死身の吸血鬼でも相沢さんがいれば何とかなるだろう。


「でもこの技、あたしの《妬ましいゲージ》が溜まらないと発動できないと思うんだよね」


「話の先を聞きたくないです」


「例えば吸血鬼から触手が伸びてミキネちゃんを、ねばねばした液体と共に組んず解れずしてスカートめくったり、服の裾から触手入れたり、吸血鬼から服を溶かす溶液をだされて服が解けたり、吸血鬼に下着だけ盗まれたりしない限り、この究極奥義は発動しないかもしれない。私が常にやりたいと思っていることを相手がしてこないとゲージは貯まらないの」


 そんな使えないゲージは廃止してしまえ。


 あと相沢さんがそれ使うには、触手付きのおどろおどろしい食虫植物にでもならない限り無理だからね?


「ん、あそこに誰かいますよ」


 そろそろ吸血鬼城が近い頃、木に背を預けている真っ赤な服装の少女の姿が見えた。


 少女は俺より少し大きいくらいなので、十歳から十二歳くらいに見える。


 髪型はボブカットで珍しいピンクの髪色。更にワインレッドのベレー帽のようなものを被っている。どこかのウェイトレスのように胸を強調する服装のはずだが、びっくりするくらい何もないので、ベースのワインレッド洋服色とインナーの白い服が分かれているだけに見える。ベレー帽色と同じプリーツスカートを履き、黒のストッキングと上等な革のブーツを履いていて年齢に見合わず服装だけは大人っぽい。


「あの子もなかなかの可愛さ——!」


「容姿じゃなくて怪しいかどうかで判断してもらっていいですか?」


 腰の細身の剣をぶら下げているので、一見剣士にも見えるが、異様なのはそこじゃない。腰のベルトに剣を七本ほどぶら下げていることだ。


 漫画やVR世界転生ならいざ知らず、ここはある程度物理法則がしっかりとひかれている異世界、七本も剣を指す意味がない。

「SSSケモナーサモナー」は更新不定期なのでブックマークなど、もしよろしければ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ