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バス運転手の仕事in異世界  作者: こうのめぐみ
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それから2週間。俺はみっちり異世界での走り方を覚えさせられた。

そして・・・


「おはようございます。木村です。点呼願います。」

「おはようございます。今日からいよいよデビューですね。安全運転に努めてください。睡眠はとれましたか?」

「はい。ばっちりです。」


点呼場で助役に出勤点呼をしてもらう。法令の都合で出勤の際必ず会社は睡眠の十分なのかどうか確認してくる。そしてこの手のお仕事必須のアルコール検査だ。助役立ち合いのもとに行う。不正がないようにするためだ。このアルコール検知器というのは皆さんが思っている以上に制度がよくて一滴でも8時間前から飲んでしまうとひかっかる。

「はいOKです。大丈夫ですね。ではこれを。」

助役からカギを受け取る。カギにはキーホルダーがついていて表面には会社のロゴが、裏面には2028と刻んである。2028号車。今日から俺の相棒2023号車だ。この会社は一人につき1台の車両の担当制度を入れている。こうすることで乗務員が車両に丁寧に向き合って使い、乗務員の接客態度の改善につながると考えられている。さて俺の相棒について少し紹介しよう。俺の2023号車はいすゞ製のノンステップバスだ。定員は61名。座席配列は都市近郊両方いけるタイプだ。ナンバープレートは「練馬200 か20-28」と日本の行動でも走れるのと、この国で旅客輸送を行ってよい馬車ギルドの許可番号票「OM156-125」の両方がついている。内装はまあほんと普通のバスという感じである。所々、現地語で「危ないのでドアが開くまで席を立たないでください」とか「降りるときはボタンを押して知らせてください。」とか書いてあるぐらいだ。車内広告は一切ない。おそらく広告を依頼する会社がないからだろう。それ以外はほんと普通のバスだ。


さて俺はまずエンジンをかける前に出庫前点検、日常点検をする。日常点検は法律ですべての運転者に義務付けられている点検作業だ。とはいってもそんな難しいものではない。会社独自の項目と合わせて約70項目ほどだ。俺はまだ慣れていないから一時間くらい掛かってしまうが、ベテランだと30分くらいで終わってしまう。


出庫点検を終えたことを助役に報告し、チェックシートを提出し確認してもらう。


「はい。大丈夫ですね。では金庫とICカード。メモリーカード。そして運行表です。今日もよろしくお願いします。」


「お願いします。」

助役から様々なものを受け取る。皆さんに少し解説しよう。ただしこれはうちの会社が使っている運賃箱の例なので皆さんのところは違うかもしれないが、まあよいだろう。


金庫→運賃箱のしたに入れる箱。現金運賃は基本ここに全部入る。

ICカード→運賃箱のIC読み取り機を起動したりロックしたりする専用のカード。

メモリーカード→ICで決裁した情報はこのSDカードに記録される。

運行表→何時にどの停留所を発車するのか、到着しなければならないのか書いてある。この表の通りに運転しなければならないのだ。



さて俺の今日の最初の一便はギルド会館から中央市場を経由して大使館の近くにある日本人学校への便だ。路線番号369。練習の時は最後まで乗るのは日本人学校の生徒約30人ほどだったと思う。まあ通学の路線だ。


俺はまず行き先表示を回送にしてギルド会館へバスを走らせた。



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