36 青鬼と赤鬼
ゲートをくぐると、岩場で崖になってるところ。
普通なら、巨大な青鬼と赤鬼が現れて、こちらに攻撃を仕掛けてくる。
クライマックス的な場所だ。
ワンタとモンキロウと長吉朗が彼らに攻撃をして、
その間にトロッコに乗って大降下で脱出ってことになるんだけど…
今はそんなこと、あるわけない。
やっぱり現れる巨大な赤鬼と青鬼。
両方とも10メートルくらいある。
大きな目でこちらを睨みつける。
ワンタやモンキチロウは現れない。
真奈美さんが使えない今、
わたしだけでやるっきゃない。
「レインボーイリュージョン!」
右から左に腕を振る。
その軌跡に8色の光球。
クルクルとわたしの周りを回り始める。
とりあえず青鬼。
わたしは挑戦的な目を青鬼に向ける。
でもわたしの技には巨大すぎる鬼。
黒い球でコアを打ち抜くしかない。
どこ???
心臓…
頭…・
とりあえず全部の球を打ち出す。
巨大な手がそれをさえぎる。
なんでも貫く黒い玉。
でも心臓まで届かない。
蚊にさされたくらいにしか思っていない。
どうすればいいの???
その時、後ろに人の気配…
振り向くと、
真奈美さん…
なんか、めっちゃ元気ないって感じ。
「青いのたのんだよ。
わたしは赤いのを倒すから…」
ボソッと言う。
真奈美さんはふらふらした足取りで赤鬼の前に進み出た。