31 雪女
空知は何も言わずに消える。
同時にニセ美那子さんも…
みんなが美那子さんに近寄る。
そのみんなとハイタッチを決める。
そう、美那子さんは最強ってわけではない。
でも、美那子さんがいるだけで負ける気はしない。
そういうオーラを持っている。
みんな次に向けて歩き出す。
優菜が先頭に立つ。
道案内ってだけでなく、
次の敵はわたしって決めているように…・
次に開けた場所。
その中央に白い髪に白い着物の人が座っている。
みんなの姿を認めると、
待ちわびたかのように立ち上がる。
右から左に手を振り下ろす。
吹雪がみんなを襲う。
そう、あの白い着物の人…・
昔話とかで出てくる、
雪女のイメージ。
でも、こっちにも氷点下の女がいる。
顔を伏せるみんなを手で制して、
優菜が前に出る。
その優菜を吹雪が襲う。
「アイスシールド!」
優菜の手に氷の盾…
それで、吹雪を防ぐ。
雪女はニヤッと笑う。
「雪なんて効かないよ」
優菜は雪女をにらむ。
「どうかなっ?」
今度は天に向かって右手を上げる。
雪が降り始める。
それもすぐに積もる雪。
あたり一面が真っ白になる。
でも、こっちもアイス系の魔女。
そんな攻撃効かないよ。
優菜を見る。
えっ????
優菜は動けなくなってる。
脚が震えてるし…・
どうして???
「フローズンクィーンなんて言ってるわりに、
寒さに弱いんだね」
そうなんだ。
優菜は私たちと一緒に生活している。
べつに特に寒いところが好きってわけでもない。
そう、優菜は指先から冷凍光線みたいなのを出すだけ…・
それで周りのものを凍らせるだけ…
だんだん降り積もる雪。
優菜が雪だるまになっていく。
その優菜に雪女の哄笑が浴びせられた。