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24 壁
「ここってさっきも通らなかった?」
美那子さんが道の地蔵を指差す。
「めんどくせえな。
やっぱ壁壊したほうが早くねっ?」
金槌を肩に担ぐ愛利さん。
「うんうん」
グローブをコツンとあわせる胡桃。
この二人は超破壊系…
「だめだよ。
さっきドクターっていうのが言ったでしょ?
壁壊すのはダメだって」
優菜はやっぱ優等生だ。
でも、技はすべてを凍らせるっていう無茶苦茶なやつだけど…
「じゃあ。
戻るかっ」
胡桃が振り向く。
でも、今来た道がない。
前を見ても行き止まり。
横も壁…
いつの間にか閉じ込められてる4人。
「やっぱ。
壁、壊すしかないじゃん」
愛莉さんが金槌を振り回す。
「そうだよねっ」
胡桃のグローブが青い光を帯び始める。
「じゃあ。
いっきまぁぁぁす!」
胡桃が前の壁に向かって走り出す。
そのまま、前の壁に拳を叩き込んだ。