08
ワゴンの中・・・・
もっと張り詰めた空気が流れてるのかなって思っていた。
でも、普通みたいな雰囲気。
マントの男に誰一人歯が立たなかった・・・・
任務は一応成功だけど・・・・
なんか・・・やったぁ・・って感じはしない・・・
普通に会話する沙耶香さんたち・・・・
「何・・考えてるのっ」
愛莉さんがわたしに話しかける・・・・
びくっとして現実に戻るわたし・・・
「あぁっ・・・さっきの戦いのこと考えてたなぁ」
わたしの首に腕を回す・・・・
「えっ・・・うぅん・・・」
「わっかりやすいねっ。この子。でもねっ。あんなの本気だしたら楽勝だよっ」
負け惜しみ?
「リミッター・・・って知らない?」
沙耶香さんが笑いながら言う・・・
「リミッター???」
「この子、まだつけられてないみたいだよっ」
「そう、じゃあつけられるかもね」
「うん、最後の技って反則ぽぃもんね」
どういうこと???
わたしの頭の周りに?が飛び交う。
「わかんないみたいだから、説明してやりなよ。愛莉」
「うん、わたしたちの力って封印されてるの。
たとえばね。
沙耶香さんのブラックホールが美月のボールくらいのスピードだったら?」
「無敵だと思う・・・・」
「そう、でも戦いを見てて面白くないでしょ」
「わたしも・・・そう・・・」
「たぶん・・・スピードが10分の1くらいにされてると思う・・・」
両腕にはめたシルバーのブレスレットをわたしの前に出す・・・
沙耶香さんはゴールドのブレスレットをわたしに見せて、ニコッって笑う・・・・
そういうことかっ・・・・
「でも、それって危険すぎじゃないですか?」
そう、敵がすごい強かったら・・・・
「そうかもねっ。でも、絶対に負けちゃならないの。わたしたちはラブウィッチーズだからねっ」
「愛莉の言うのも本当。わたしたちは負けられないの。それと、1チームに一人『影』がついてるの」
「わたしも見たことないけどねっ。本当にやばくなったら出てくるらしいよ。それで、半端じゃなく強いって話。でもこのチームにはいらないけど。わたしと沙耶香さんがいるし。美月だってなかなかじゃん。たぶん、最強のユニットだよっ」
沙耶香さんも微笑みながらうなづく。
なんか照れくさいっていうか。嬉しい。
愛莉さんや沙耶香さんに認められたみたいで。
わたし、このユニットでよかったかも。