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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第3部 暴走魔獣シュミレーター
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14 鎧竜

「次はわたしの番だねっ」

 次のゲートの入り口で沙耶香さんが前に出る。

「じゃあ、頼んだよっ。

 わたしはちょっと体力回復してるから…

 次は、沙織を出すわけにもいかないしね。

 あいつだって、同じ人が出てはいけないとは言ってないし」

 睦美さんはその場に座り込む。


「大丈夫だよ。

 軽く片付けてくるから。

 連戦もOKだよ」

 沙耶香さんが片目をつむる。


「わたしももう行けますよ」

「ああ、頼むよ」

 栞が言うと沙耶香さんが栞の頭を撫でて、

 ゲートの中に…

 その後ろでしまるシャッター…


 でも、沙耶香さんの場合は何の心配もない。

 ブラックホール…

 反則なくらい強すぎる技…

 沙耶香さんの冷静な判断…

 どこをとっても穴は見当たらない…

 どう考えても無敵だった。


 鞭を軽く一振り…

 黒のロングドレス…

 どこからみても女王の風格…


 その前に現れるドクター空知。

 こいつも沙耶香さんの風格にひるまない。

 いわば、王の風格を持っている。


「さて…

 つぎはあなたですか?

 強敵ですね…

 しかし!」


 しばらく間をあける。

 まるで舞台役者のせりふみたいに…


「その技には重大な欠点があるんですよ」


 むこうの方に砂埃が立ち黒いものが近づいてくる。

 まるで小山のような…


「トリケラトプス。

 鎧竜です」


 そう、固い装甲に覆われた巨大な体。

 鞭なんて効きそうもない。

 たぶん鎧を砕けるのは、希美の大剣か、愛莉さんの鉄槌だけ。

 

「弱点?

 教えてくれる?

 わたしにはわかんないけど…」

 あくまで落ち着いている沙耶香さん…

 リーダーの美那子さんとは違って氷のように冷静。

 影のリーダーを呼ばれるのもわかる気がする。


「それはね。

 ブラックホールにあります。

 出さないんですかブラックホールを…」


 そういえばいつものようにブラックホールはまだ出していない。


「ええ…

 無駄だからね」


「そう、こんな大きな魔獣を吸い込むブラックホール。

 そんなもの出したらどうなるか?

 先にあなたが吸い込まれてしまいますよね」


「そうだね」

 気のない返事をする。

 でも、ブラックホールなしで勝てるの???


 突進してくる鎧竜…

 まるで闘牛のように一直線に…

 さやかさんは軽くかわす…

 それも闘牛士みたい…


 通り過ぎた鎧竜はすぐにとまれない…

 かなり過ぎたところで止まり方向を変える…

 またこちらに顔を向ける…


 また突進してくる…

 軽くかわすさやかさん…

 でも今度はすぐに止まって方向を変える…

 そうさっきみたいな突進ではない…

 踏み潰すだけでOKなんだから…

 力を抜いたんだ…

 そう、これはシュミレーター…

 本物と違って学習能力を持つ。


 壁のそばに移動している沙耶香さん…

 たぶん、さっきの睦美さんみたいに…

 魔獣を壁に衝突させようとしてたんだ。


 でも…

 魔獣の作戦は変わったんだから…

 思いっきりの突進は期待できない…


 逆に壁は沙耶香さんの逃げ場を奪ってしまう…


 でも、角に向かって鞭を振る…

 角に鞭が巻きつく…

 それを引っ張って飛ぶ…

 高く…

 鎧竜を超えて後ろに着地…


 でも、このままじゃ…

 次には同じ手は通用しない…

 その沙耶香さんの方にまた鎧竜が突進を始めた。


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