04 ファンタジーパーク
バスから飛び出すと、
完全に日常じゃない空間。
そう、わたしも子供の時から良く連れてきてもらった。
東都を代表するテーマパーク。
ファンタジーパーク…
おとぎ話の世界をテーマにした数々のエリアからなる。
構えるわたしたちを出迎えたのは、
テーマパークのメインキャラ…
大人気キャラ…犬のワンタ…
ワンタの大親友…猿のモンキロウ…
ちょっと意地悪でシュールな…雉の箱谷長吉朗…
雉キャラのネーミングだけは意味がわかんないんだけど…
愛嬌いっぱいのジェスチャーをふりまく…
そして彼らの中央にいきなり現れる白いタキシードに白いマントの男…
銀色のストレートヘヤー…
年は中年の域…
含み笑いを浮かべながら登場する。
もしかしてこいつがボス????
「ようこそ、
ファンタジーパークへ!
WITCHESのみなさん!」
大仰に礼をする…
あっけにとられるわたしたち…
オペラ歌手のようによく通る低い声…
「わたしは東都を良くする会、カオスプロジェクト代表。
ドクター空知。
以後お見知りおきを…」
「前置きはいいからさ。
人質と機械を返しなよ!」
美那子さんが前に出る。
「あわてなくても、
すぐに返しますよ」
大げさなジェスチャー。
うしろでキャラクターも同じジェスチャーをする。
着ぐるみの顔が笑ってるだけに、むかつく感じ…
みんなで男を睨みつける。
「じゃまなおまえらを片付けたらすぐにな!」
大きな声で男が叫ぶ。
反射的にわたしたちは男に向かって駆け出す。
男はゆっくりと右手の平をわたしたちにむける。
「エンド・オブ・ザ・ワールド!」
わたしたちは、目の前で世界が砕け散るのを感じた。