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17 巨人の力

 わたしは計算していた。

 そう、どうやって新道を倒すか。

 手はないわけではない。

 でも…


 わたしの周りを飛ぶパチンコ玉くらいの光弾たち。

 少し手加減してわざと小さい光弾を作っていた。


 そう、これくらいの大きさになると…

 光球は弾丸となる。

 これを新道たちに打ち出せば…

 どれくらいの怪我になるのか計算できない。

 光弾は最後の手段。できるだけ、体術で戦うしかない。

 わたしには真奈美先輩に鍛えられた体術もある。

 LOVE★WITCHESのメンバーはフォースだけではない。

 きびしいトレーニングをつんでいるのだ。


 麻耶リンも構えている。

 でも、麻耶リンの体術じゃ。

 あのガムに捕らえられるだけ…


 こっちに迫る新道…

 あと、味方は…


 正憲…


 まあ、戦力外ってとこか…

 使えねえよな…

 とりあえず、スピード重視だ…

 あの、ガムに捉えられないように注意。

 きたねえし、動きを封じられる。


 えっ…


 でも…


 正憲の巨人って足が固定されただけだよね。


 あの足の大きさからしても、かなりの身長だよね

 だったら…


 わたしは正憲くんに話しかける。


「あのさ…巨人ってどれくらいの大きさなの???」

「うーん、10メートルくらいかなぁ。かなりの大きさだよ」

「じゃあ、足が動かなくても新道のとこに届くジャン」

「あ…」


 いきなり正憲が前にでる。

 巨人に念を送るために…


「正憲っ。覚悟しておけよ

 ただじゃすまさねえぞ!」

 新道が迫る。

 

 そのとたん…

 急に新道の身体が浮き上がる。


 そのまま空高く上っていく。


 巨人が新道の首を後ろから掴んだんだ。

 これなら、ガムは使えない。


 足をバタバタさせる新道。

 新道の身体はどんどん高く上がっていく。

 校舎の屋上より高く。


「やめろっ。やめてくれっ。

 俺は高所恐怖症なんだよ」

 情けない声を上げる新道。


「じゃあ、もう麻耶に手をださないか」

 正憲が言う。


「あぁ、わかった。わかったから下ろしてくれ」

 もう、泣きそうな声になっている。

 


「約束だぜ」

 正憲が合図をすると、新道の身体が降りてくる。

 3メートルの高さくらいで静止して、

 そこから地面に叩きつけられる。

 その場でのびる新道。


「これくらいはしなくちゃね」

 正憲がわたしに向かって親指を立てる。

 わたしもにっと笑って同じようにする。

 麻耶リンを見ると…

 あっ…

 いねえよ…


 遠くに裕也と麻耶リンが並んで歩いているのが見えた。

 わたしはガッカリムードの正憲の肩をなぐさめるようにポンと叩いて、

 彼らの後を追いかけた。


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