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06

 わたしの身体が一瞬で後ろから捉えられる・・・・

 そう、沙耶香さんの方に気をとられた隙に、

 背後から迫っていたムカデの尻尾・・・・

 それに巻きつかれたのだ。

 やばいっ・・・・

 そう思ったけど、もう遅い・・・・

 沙耶香さんと愛莉さんの方を見る・・・・・

 仕方ないねって顔・・・・

 でも、助けようとはしない・・・・

 2人で何かしゃべってるだけ。


 わたしはむちゃくちゃに7色の玉をムカデに当てる・・・・

 でも、固い身体にはぜんぜん通じない・・・・

 わたしを掴む力が強くなり、大きく上に持ち上げられる・・・・

 足をバタバタさせるだけ・・・・


 その背後に鎧を纏った漆黒の武者が控える・・・

 それを操る長身の男。

 時代遅れの黒いマントを羽織っている・・・・

 その中から鋭い目が光る・・・・

 この人・・・・・

 他の人たちと何か違う・・・・

 30代くらいだけど、けっこうイケメンの部類・・・

 そして、他の人は欲望に紛れた目をしている。

 でも、この人は違う・・・・

 うまくいえないけど、そんなのを超越した目・・・・

 なにか懐かしい感じさえする・・・・

 その男が前に手を突き出す・・・・

 わたしの方へ・・・・・


 何・・・・・

 手のひらが熱い・・・・

 その手の平を見ようとする。

 

 そこから飛び出す黒い鉄球・・・・

 そう、こんな玉が出るのは初めてだった。

 いつも7個まで・・・・

 黄・橙・赤・緑・紫・青・ピンク

 

 男はわたしを見てうなづく・・・・


 黒い玉・・・・

 どんな意味があるの?

 1つくらい増えたところで意味ないのに・・・・


 でも、ムカデはわたしを捕らえたまま上下に振る・・・・

 地面に叩きつける寸前で持ち上げる・・・・


「ハハ・・・そう、美月ちゃんをこっちへ渡すんだ。傷つけないようにな。」

 ウィザードが魔獣使いに指示をだす。

 ムカデの尻尾はわたしをウィザードの元に連れて行く。

 だめっ。

 何とかしないと。


「まぁ、仕方なないね。愛莉」

「そうですね。沙耶香さん」

 2人がこっちに向かおうとする。

 その前に鎧武者が立ちふさがる。

 やっぱ敵なの。あの人。


 わたしは黒い玉を振り回す・・・・

 いけーーーっ。

 たぶん効かないと思うけど・・・・

 ムカデの目に向けて精神を集中する。

 黒い玉はすごいスピードで飛び出す・・・・

 ムカデの目に向けて・・・・

 でも、素早い動きでくねると頭で跳ね返そうとする。

 そう、目以外に当たったとこで効かないと思う。


 でも、予想に反して黒い玉はムカデの装甲を貫く・・・・

 えっ・・・・

 そのまま、また目に向けて飛び出す・・・・

 逃げても別の部分に当たりそこを貫く玉・・・・


 ムカデはそれに気をとられ、わたしを放す・・・

 かなり高いところで離されるわたし・・・・

 でも、こういうのは訓練している。

 猫のように回転して地面に下りる。


 そのままロッドを振る・・・・

「レインボーイリュージョン」

 わたしの周りを8個の玉が回り始める・・・・

 そのまま射出する。

 たぶん、光の玉の中では黒い玉は見分けにくいはず。

 黒い玉は目に向けて・・・

 他の玉は顔全体に向けて・・・・・

 

 黒い玉がムカデの目を捉える・・・・

 横から両目を貫く・・・・

 大きくうねる長い身体・・・・

 その身体が崩れていく・・・・

 そう、コアを捕らえたんだ・・・・


 気絶した魔獣使いをスタッフが捕らえる。

 とりあえず、戦闘終了・・・・

 他の人みたいにカッコよくないけど。

 なんとかって感じ・・・・


 でも、愛莉さんの声・・・・

「ウィザードを倒して!」

 後ろを振り返る。

 愛莉さんと沙耶香さんは鎧武者に足止めされている。


 作戦とは違うけど・・・・

 わたしは、ウィザードの方に駆け出した。


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