08 3人のヘッド
「おっはよー」
今日も元気♪に教室に飛び込む。
なんとかセーフ!!
自分の席に向かおうとするけど、なんか様子がおかしい。
教室内がピリピリしているのがわかる。
とりあえず麻耶リンたちのところで情報収集する。
麻耶リンの情報では、新道の部下の一人がまた誰かにやられたらしい。
たぶん、他のグループじゃないかってことで・・・
殴りこみの準備とか・・・・
始終機嫌の悪い新道・・・
昼休みにその教室に巨大生物襲来。
なんか短い髪の頭の前から後ろに何本かのそりこみ・・・
まるでスイカみたい。
太っていて顔が大きくてまんまるだし・・・
髭とサングラス・・・
高校生とは思えない・・・・
「あれはね。3年の西城さん・・・
この学校の3人のヘッドの一人だよ」
美樹が耳打ちする。
2人の不良を引き連れて、新道の前に・・・
新道の目の前に来て、サングラスをずらして新道の顔を覗き込む。
一触即発・・・
教室中が静まり返る。
「新道。お前んとこか俺のダチをやりやがったのは!」
スイカが口を開く。
「こっちは2人やられてんだ。
おまえんとこか立花んとこしかねえだろ!」
スイカの前に立ち上がる新道。
立花ってもう一人の3年のヘッドだよ・・・
美樹がちゃんとナレーションしてくれる。
「おれんとこじゃないぜ。
おれんとこも1人やられてるんだ。
おまえらのどっちかだろ。」
またややこしそうなのが現れる。
赤い髪の毛のパンク。
あれが立花だよっ。
ってまた美樹が教えてくれる。
まあ、成り行き上、予想はできたけど…
でも、3っつのグループともやられてるって…
自分とこだけ、だれもやられてないっていうと…
そのグループが犯人…
誰か嘘をついてるの???
でも、そんな感じに見えない…
「まあ、とりあえず…
元々気に入らなかったんだ。
そろそろ統一しようぜ。
この学校をよ!」
スイカ頭が吼える。
「おれは2年が大きな顔をしているのが気にくわねえ・・・
共同戦線といかねぇか。
その後で俺らの決着をつけようぜ」
赤パンクが構える。
「かかってきな。
まとめてやっつけてやるぜ!」
新道が2人の前に立ちふさがる。
この人たち…
何も考えてないの???
犯人がこの中にいるとは限らないのに…
「やっちゃえ!」
なんか後ろから声が聞こえる。
えっ????
何???今の声…
「潰しあえっ!」
声の方を見る。
誰もいない。
決闘を取り囲む生徒たち…
「ハハハ・・・・」
笑い声は遠のいていく…
わたしは、人だかりの中、
その声の主を探し続けた。