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07 カラオケ

「次は?」

 画面に出る歌のタイトル。

 わたしだっ。

「わたしっ!」

 大きく手を上げる。

 あと、3曲はいってるし・・・

 もう、歌うっきゃない!

 こいつらもプロの歌聞きまくれるわけだし、

 かなりお得じゃん★


 でも、さっき麻耶が歌ってるの聞いたけど、

 まず、WITCHESは無理っ。

 音程むちゃくちゃだし・・・

 ダンスもできてないし・・・・

 

 歌が終わると麻耶リンの横に座る・・・

「あのさぁ。言いにくいんだけど・・・」

 麻耶が話しかけてくる。

「うん・・・」

「美月の歌って下手じゃねっ???」

 えっ・・・・

 絶句・・・・

 ど、どっからそんなこと・・・

「俺はまあまあだと思うけど・・・」

 新道がフォロー。

 でも・・・まあまあって・・・・


「点数つけてみよっか」

 麻耶リンが機械を操作。

 画面に点数の表示。

「まず、わたしっから」

 麻耶がステージに飛び出す。

 新道は麻耶リンの時だけノリノリになる。

 でも、麻耶リンって

 歌詞棒読みっていうか・・・

 お経みたいな歌い方をする。


 歌が終わって採点。

 点数がグルグルまわって・・・

 78点っ・・・・

 甘すぎじゃねぇ?


 「もう一息でプロ」とかモチベーションを高める表示が現れる。

 うん、まあカラオケ会社も商売だからねっ。


 次はわたし・・・

 まあ、200点くらい行くんじゃない?

 麻耶リンが挑戦的な目でわたしにマイクを渡す。


 イントロが始まって・・・

 歌い始める・・・

 初めはみんなノリノリだったのに・・・

 気だるい手拍子で盛り上げてくれる・・・


 でも、気にせずに熱唱・・・


 歌が終わって、採点・・・

 点数が回って・・・

 一番下の桁が9で止まる・・・

 まあ、100点は逃したけど・・・

 次の桁・・・・

 えっ・・・・

 4・・・・

 49点!


『もうすこしがんばりましょう』

 

 ・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・


 ありえねぇ!!!!


 絶対、機械壊れてるよ。


 麻耶たちは大うけだし・・・


 あっ・・・

 そうだ・・・

 この香水・・・・

 わたしが歌手だってわかんないようにしてるのかなぁ・・・・

 

 魂が抜けたようなわたしは、その後放心状態になる。

 男子が話しかけても上の空って感じで・・・


 そして、カラオケ終わったあと、

 麻耶がしつこく誘われてたけど・・・

「わたし帰るわ」

 って行って、バックレる。

 それに便乗して、麻耶たちも男子にバイバイする。


「美月っ。落ち込まないの」

 テンションの高い麻耶リン。

 なぐさめられると余計に落ち込んでしまう。


 わたしは、カラオケ前のプリクラでとったダメダメ顔のシールを片手に帰途についた。

 


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