01 プロローグ
あの後、気をとりなおして・・・・
番組を続けたんだけど・・・
最後のスタンダードナンバーのセッションもこなして・・・
でも、沙也香さん・・・・
リハもやってないのに、大和と息ぴったりって感じで・・・・
わたしもギターの子とかけあいしたんだけど・・・
案外むちゃくちゃだったんだけど・・・・
番組のあとは楽屋で大和を大追求大会・・・・
「でもさ・・・お前らみてて・・・こんなやり方もあるんだなって思ってさ」
屈託なく言うけど・・・
どうみてもぱくりじゃん・・・・
「それにさ、もう街で暴れてるの飽きちゃったし」
街を守ってたんじゃないの?
「歌うのって案外楽しいし」
つまりっ!!
楽しければそれでいいじゃんって考え!!
つっこみだしたらきりがない・・・
要するに、なにも考えてないってこと・・・
「青龍さんもなんとか言ってよ・・・」
でも青龍さんは笑ってるだけ・・・
「あっ・・・それからこいつ・・・
樋上裕也・・・・
玄武のあとがまかなっ。
俺が拾って来たんだ。
たしか、おまえと同じ年だったよな」
いきなりギターの子を紹介される・・・・
さっきから見てたんだけど・・・
綺麗な子・・・・
色白で女の子みたいな顔・・・・
でも、どこを見てるのかずっと目を反らしている・・・
無口だし・・・・
何考えてんだかわかんない・・・・
まあ、さっき聞いたギターはすごかったんだけど・・・
心にビンビン響くっていうか。
わたしにギターがうまいとかわかんないけど・・・
とにかくすごかった。
青龍さんのドラム、白虎さんのベース・・・
それとくやしいけど・・・大和のボーカル・・・
いままで聞いたどんなバンドより凄かった・・・
でも!!!
愛想なさすぎ!
普通わたしが挨拶したら、
初めまして・・・くらい言うでしょ!!
こいつの場合・・・
「うん・・・」って
この世界ではわたしの方が先輩なんだよ!!!
ちょっとだけだけど・・・
たしかにちょっとカッコイイし・・・
クールなんだけど・・・
それにしても酷いって思わない???
でも、初対面の子に当たるわけにいかないから、
沙耶香さんと一緒に、大和をいじめ続けた。