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28 仁王剣 ジン 

「風もやんだみたいだし、こっちもはじめるか?」

 大和が大きい男の前に立つ。

 両手の拳をコツンとぶつけて戦いの構えを取る。


 頭に巻いたターバン・・・・

 筋肉というよりブヨブヨっぽい体・・・・

 下半身だけ白い武闘着をはいている・・・

 そしてとがった先が上を向いた靴・・・

 子供の頃読んだアラビアの物語のランプの精ってこんな感じかも・・・・


 対峙するとあの大和が子供みたいに思える・・・・

 この前、一緒に並んであるいたら見上げるくらいだったのに・・・・


 両手の曲がった刀を構える・・・・


 でも、こういう大きいのって、案外動きは鈍い・・・・

 大和もすごい強いし大丈夫だよっ・・・

 自分に言い聞かせる・・・


「わたしはジン・・・・

 白虎と同盟を結んだことによりおまえらを排除する」

 抑揚のない声で大男は言う・・・


「ああ、俺は大和・・・

 しかし・・・・

 排除されるわけにはいかねえな」

 いきなり大和が飛び出す・・・

 ばかっ、相手の技もわかんないのに・・・・


 すごいラッシュ・・・・

 大和の手が何本にも見える・・・・


 でも、それを全部両手の刀で受け止められる・・・・

 その動きも速い・・・・

 だれっ、大男は鈍いって決め付けたの?


 達人同士の戦いとなる・・・・

 大和もジンの攻撃をうまくよけている・・・・


 でも、刀対拳・・・・

 だんだん大和が押されている感じがする・・・・


「なかなかやるじゃねえか」

 よけるのに必死って感じ。

 さっきは美那子さんでも歯が立たなかった相手を、簡単に倒したのに・・・

 もしかして、レベル高すぎなの?

 

「きりがない。

 逃げまわるだけじゃあな」

 ジンが笑う。

 でも汗まみれで、息が切れてるじゃん。

 やっぱ、この体型ってスタミナがない。

 大和はそこをついてたんだ。

「そろそろ、楽にしてあげましょうか?」

 こいつ、勝負に出るの。

 やっちゃえぇ・・大和・・・・

 もう、完全応援団ののりのわたし・・・・


「仁王剣!阿云!」

 えっ・・・

 いきなりジンが2つに分かれる・・・・

 一つの身体から上半身が2つに分かれる・・・・

 大和を左右から挟むように・・・・

 そして、左右から同時に大和に剣を振り下ろす・・・・

 大和は腕で防御する・・・・

 両腕が青く光る・・・・

 でも、ジンの力が上・・・・

 大和は後ろに吹っ飛ばされる・・・・


 すぐに立ち上がる大和・・・

「ふぅん、卑怯な技じゃねえか。

 2度と通用しないがな」


「何をっ!」

 ジンは大和に飛び掛る・・・

 大和は微笑む・・・

 たぶん、見切ったんだ・・・

 さっきと同じで2つに分かれるジン・・・

 渾身の力で振り下ろされる刀・・・

 さっきと同じように大和はガードする・・・

 また、吹っ飛ばされる・・・

 全然・・・通用してるじゃん・・・


「全然きかねぇよ。バーカ」

 ふらついた足で立ち上がる大和。

 どう見ても効いてるジャン。

 口先だけなの?


「これで終わりだ!」

 また同じ技・・・・

 上半身が2つに分かれる・・・

 そして左右から・・・

 ガードの姿勢をとる大和に・・・


 キィィン・・・


 さっきと違う音・・・


「だから、きかねぇよ。」

 そう、さっきの音は・・・・

 ジンの曲刀が砕ける音・・・・

 両方の刀の先が折れてブーメランのように飛ぶ・・・

 一方は沙耶香さんの方に・・・

 一方は青龍さんのところに・・・

 ふたりともそれを簡単に避ける・・・


「ばかなっ」

 信じられないという顔のジン・・・


「技にくらべて刀が脆すぎだよ・・・」

 大和が白い歯を見せる。

 身体の前で両拳をコツンとぶつける。

「じゃあ、今度はこっちの番だぜっ!」


 高速のラッシュが始まる・・・

 頭、胸、腹・・・・

 青い光の残像が無数の直線を描く・・・・


「フィニィッシュ!」

 大和は大げさに拳を振りかぶって、ジンの身体に叩きつけた。


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