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21 悪魔の鉄槌

 金槌を振り回す愛利さん・・・・

 西洋鎧の武者がそれを受け止める・・・・・

 この前みた戦いと同じ・・・・

 でも、鎧武者にこの前みたいな余裕はない。

 愛利さんの息も切れない。

 やっぱ、リミッター解除した愛利さんってすごいかも。


「魔王の鉄槌レベル5!」

 振り回せば振り回すほど進化する武器。

 鎧武者は防戦一方。

 でも、剣技は本物だ。

 大きな身体に重そうな鎧なのに、

 愛利さんの動きについていってる。


「魔王の鉄槌レベル6!まだまだ進化するよっ」

 鎧武者は押され始める。

 でも、マントの男は笑ったまま・・・・

 白い歯を見せている。


 大きな鉄槌を軽々と振り回す。

 さっきより段々大きくなっていくのに、

 軽くなっていくの?

 スピードが加速していく。


 床に落ちるたびに穴が開く。

 このビル大丈夫なの?

 そう思うほど、地響きがしてビルが揺れる。


 もう鉄槌の先は残像しか追いかけられないほどのスピード・・・

 でも、鎧武者は押されながらもそれを弾き返す。


 もう、普通の戦いではない。

 まるっきり神の戦いって言った方がいいかもしれない。

 わたしの目ではその動きはとらえられない。


「なかなかやるねっ」

 愛莉さんが言う。

 なぜか微笑みさえ浮かんでいる。

 好敵手に会えたのが嬉しいように・・・・


 マントの男の方も白い歯を見せる。

 こっちも同様だ。


「魔王の鉄槌レベル7!」

 まだまだ進化する槌。

「いいのかい?」


 えっ???

 今の????


 大きくなった槌の頭の部分に顔がある。

 それがしゃべっている。


「このまま俺の力を解放し続けたら、

 封印が解けちゃうぜ・・・」


 封印???


「いいよ。

 その前にちゃんと仕事をしなよ。

 あんなやつも倒せないの?」


「了解。

 もし封印が解けたら、真っ先にお前を殺してやるぜ。

 ここまで、人遣いの荒いのは初めてだからな」


 なんなの?

 この武器?


「いっけぇぇぇ」

 愛莉さんが叫ぶ。

 鉄槌の柄がしなるほどに振り回す。

 

 マントの男は逃げない。

 そのまま黒騎士の後ろにいる。


 キィィィン・・・・


 金属がぶつかり合う音・・・・


 愛莉さんの鉄槌が黒騎士の剣に止められてる。


「私の負けだ・・・」

 マントの男が呟く・・・

 黒騎士の剣が砕ける・・・・


「まだ、決着はついていないよ」

 愛莉さんは微笑む。


「いや、もういい・・・

 お前らがいれば大丈夫だ」


「どういうこと?」

 愛莉さんが不思議そうに彼を見る。


「美月をたのむ・・・」

 男の口からそう言う言葉が出る・・・・


 えっ???

 どういうこと???

 こんなやつ知らないし・・・


「ああ・・・ちゃんと鍛えてやるよ。

 わたしの妹だからねっ」

 愛莉さんが鉄槌を肩に担ぐ。


 男は白い歯を見せて、愛莉さんに背中を向ける・・・・

 そのまま階段の方へ歩いていく・・・・


 なんにもわからない。

 なんなの?

 あいつ・・・

 説明してよ?


 でも、男は振り向かずにドアの向こうに消えた。


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