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19 希美と栞

 魔獣が栞と希美に向かって吼える。

 空気をつんざくような声・・・・・

 

 でも、まだ2人は何か言い合っている。

 もしかして、作戦でも立ててるの?

 そんな場合じゃないのに・・・・

 

 魔獣が突っ込む・・・・


 でも2人は簡単にかわす。

 そのまま、なんか口論している。

 まさか、またケンカとか・・・・

 

 トラの爪が希美を捕らえようとする。

 でも、大剣でそれを防ぎ、弾き飛ばす。


 今度は栞に・・・・

 でも、栞はその爪の上にヒラリと飛び乗る。


 そのまま、希美にそっぽを向く。

 共同戦線は失敗みたい。


 なんかこの子たちの戦いってイライラする。


「スチールレイン!」

 栞が叫ぶ。


 上から無数の金属の洗面器が落ちてくる。

 もしかして新技。

 でも、どうみてもテレビのコントで落ちてくるアレだ。

 音はすごいけど、あんまり痛くないみたいな・・・・

 やっぱ、この子の技ってよくわからない。


 魔獣に当たるけど全然ダメージを受けない。

 それどころか、希美にまで当たる。

 自分も当たってるよ。

 それも、モロに頭に・・・・・


 希美は希美で、洗面器をはねのけながら・・・

 魔獣に突進・・・・

 大剣で足を払おうとする。

 でも魔獣は爪でそれをはらう。

 希美に隙を見せない。


「ハハハ、もうその攻撃は効かないぜ」

 白衣の男は笑う。

「合成魔獣は進化するんだよ。

 おまえの攻撃なんて見切ってるよ!」

 

 でも、希美はやめない・・・・

 何度でも同じ攻撃をする。


「ドッペルゲンガー」

 栞のあの技だ・・・・

 でも、魔獣の前に現れたのは小さなゼリー状の物体。

 どうして?


「この魔獣はね。

 もともとはそんな物体なんだよ。

 しかし、いろいろな魔獣を喰らって大きく強くなるんだ」

 白衣の男がちゃんと解説をしてくれる。

 なるほどって感じだ。

 これでは栞の唯一の必殺技も通じない。


 希美は魔獣の足に狙いを絞っている。

 助走を多くしたり・・・・

 何度も回転したりして工夫はしている。

 でも、魔獣の攻撃の隙をつけない。

 

「ドッペルゲンガー!」

 また、同じ技・・・・

 それは効かないって・・・・

 絶対、二人とも思考回路が子供のまま・・・・

 っていうか子供だし・・・・


 でも、今度はゼリー状の物体は現れない。

 栞の指の先には、

 もうひとりの希美・・・・

 希美の分身を作ったんだ・・・・


 本物の希美の横に行って・・・

 二人とも走り出す・・・・

 一人は右・・・・

 一人は左・・・・

 

 4つ足の魔獣は左右同時に防げない。

 もし両方の前足を上げたとしても、

 後ろ足が無防備になる。


 片方の希美だけを防ぐしかない・・・・

 

 右の希美は弾かれるが、

 左の希美はそのまま魔獣の足を切裂く・・・・


 右前足を折る魔獣・・・・

 大きな唸りを上げる。


 また戻ってきて左右からの攻撃・・・・

 今度はどちらも防げない・・・・

 後ろ足も折る魔獣・・・・


 その低くなった魔獣に容赦なく攻撃を仕掛ける・・・・


「あぁ・・・・

 まさか・・・

 そんな・・・」

 白衣の男は呻くしかない。


 その背後に栞が近寄る。


「スチールレインっ」

 空を指差す。

 男は上を見る・・・・


 さっきと違って、

 一つだけだが、巨大な金ダライ・・・・

 男の顔が恐怖にゆがむ・・・・

 そして、男の脳天をタライが直撃して・・・

 大きな音を立てた。

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