41 魔法斬
これでジ・エンド。
氷の剣だけでよく戦ったほうだよ。
マジヤバかった。
これで、ドアから正々堂々と脱出できる。
わたしはドアの方に歩いていく。
粉塵はだんだんおさまっていく。
そこにヴェロニカの影。
立ったまま動かない…
敵ながらあっぱれって感じで…
だって、わたしの最強火力を全部受け止めたんだから…
いままでの戦いでも、ここまで本気の力を使ったことはない。
120%出し切ったって感じ…
完全に視界は開けて、俯いて立っているヴェロニカが見える。
死んでるの???
いや、閉じたまぶたが微かに震えている。
よかった…
敵とはいえ、殺してしまうのはLOVE★WITCHESの流儀じゃない。
でも、その口元が上に上がる。
笑ってる???
そういえば、無傷。
ヴェロニカはかすり傷ひとつ負っていない。
その後、大きく目をあけ、顔を上にあげる。
「ハハハハハハ…
これで全部?
他にも攻撃があるんなら、見せてごらん」
わたしは黙り込むしかない。
召喚も光球もこの人には通じない…
「これが、剣聖と呼ばれたマリナに教えてもらった魔法斬…
どんな魔法でも斬っちゃえば、役にたたなくなるの。
マリナに教えてもらわなかった?」
そんな技は初めてきく。
そんな力があれば、LOVE★WITCHESのすべての技は防がれてしまう。
それだけでなく、この人の剣技は麻衣先輩を凌ぐかもしれない…
敵わない…
このヴェロニカって人はわたしたちの天敵…
「マリナにできないのなら、わたしが姫らしく鍛えるしかないですね。
本当に姫としての資質があるかどうか疑問ですがね」
ため息を付くヴェロニカの前で、わたしは自分の無力さに膝を落とす。
「立ちなさい」
ヴェロニカの言葉に、わたしがゆっくりと立ち上がった。