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20 陰陽師

 中央では、平安時代みたいな服の男。袍っていうらしい。黒の上着に黒い袴。

 頭には細長い冠を被って杓を持っている。


 それに対峙するのは、胡桃、栞、希美の同期3人だ。

 まさか、この3人を一人で相手するなんて…

 舐めるなって感じ。


「わたしは12使徒の一人。

 羅生門夢麻呂。

 陰陽師です」

 柔らかな物腰であいさつをする。歌舞伎俳優のような通る声。


 陰陽師。マンガとかで読んだことある。あの式神とかを使う昔の召喚士。

 他にもいろいろな怪しげな術を使う。

 

「ライトニングラッシュ。藤崎胡桃」

「ダイヤモンドクラッシュ…大道寺希美…」

「ファントム・マリオネット!鞍馬栞!」

 それぞれ自己紹介をする。これはわたしたちの決め台詞だ。


「行くよ。魔獣使い」

 胡桃が前に出る。


「魔獣使い…そう呼ばれるのは心外です。

 わたしは千年の歴史を持つ陰陽師。

 今は魔獣王に仕えていますが、それは利害が一致するからに過ぎません。

 わたしの術はそんなに薄っぺらいものではありません」

 男は胡桃の前に霊符を投げる。

 その霊符が巨人に形を変える。

 巨人じゃない。その頭の生えた2本の角、それから裂けた口から見える牙。

 筋骨隆々の身体。鬼だ。


 それだけじゃない。もう一枚の霊符を飛ばすと、人間サイズの鬼が生み出される。

「前鬼と後鬼です。

 わたしの式神です」

 

 大きな鬼の前に大剣を抜いて出る希美。

 大きな相手に燃える希美らしい。

 小さな方の鬼の前には拳を構えた胡桃が出る。

 小さな方と言っても2メートル近い大男だ。胡桃のボクシング殺法はこれくらいの体格差は苦にもしない。

 たぶん栞は陰陽師狙いか。2人の後ろで様子をうかがう。

 陰陽師も古来からの術かもしれないが、栞の幻術も歴史のある術だ。 


 戦いの前の静寂。未知の敵と戦う時は、相手の出方を待つのがセオリーだ。

 それも、相手が相当の実力者の場合、相手の動きを見て対応する。

 でも、そういう鉄則が通じない奴もいる。希美だ。

 猪突猛進がこの子のセオリー。とりあえず一撃カマしてみる。これが、希美の戦いだ。

 大人の身長以上の長さの大剣を横薙ぎに構えて走り出す。

 希美の動きを合図に陰陽師との戦いが始まった。



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