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15 3人の敵

 うしろから希美と栞が駆けてくる。

 その後に胡桃と美那子先輩。後方も片付いたんだろう。まあ、相手はたぶん中ボス系もいなかったから、まだ攻撃は終わらないんだろう。次の攻撃に備えないと。

 目の前には大きな島のような魔獣。鱗に覆われた身体と大きな胴体、龍のような首を持つ。

 いままで見た中では、最大の魔獣。いえ、怪獣と言っていいかも知れない。


 前の魔獣大戦でも、東都の最大の軍艦を沈めた魔獣が存在する。

 大きすぎて、LOVE★WITCHESにも倒せなかったという。戦争自体は魔獣王を捕まえることで終わったが、その魔獣は海のどこかに眠っているという都市伝説は残っている。


 安城さんには、今回の作戦の秘密兵器はわたしだって含められていた。

 他のメンバーの魔法ではあの巨大生物の鱗を貫くことはできない。

 わたしなら、あのクロネコや雷神トール、風神シルフィード、剣王ゼノンがいる。

 でも、みんなめんどくさい性格してるし。トールはすぐ拗ねるし、シルフはバカだし、ルシフェルはコントロール不能で意味わかんないし、ゼノンは説教くさいし…まあ、あんまり呼び出したくないっていうか、出てきてくれるかどうかもわかんない。みんな、わがままってことだけは共通してるし。


 怪獣の背から、次の部隊が降りてくる。

 わたしたちを牽制しながら、今倒した魔獣使いたちを回収していく。

 この動きも軍隊的で訓練されている。今なら混乱させることができるかもしれない。LOVE★WITCHES6人と愛梨さんがいれば…。わたしたちは美那子先輩の指示を待つ。


「栞、希美っ。大丈夫」

 希美はリーダーの言葉にこくんと首を縦に振る。

「大丈夫です。もう回復しました」

 栞も美那子先輩の言葉に答える。

「いつでもいいぜ。暴れ足りないからな。あのでっかいのをぶん殴ろうぜ」

 愛梨さんは肩に担いだ大金槌を振り回す。美那子先輩と愛梨さんは親友。わたしと春香みたいに。美那子さんは安心したように微笑む。


「じゃあ、いくよ」

 リーダーの指示が出る。

 7人は前に走り出す。もう、分断はされない。春香と私、胡桃と希美と栞、美那子先輩と愛梨さん。

 このチームで当たる。わたしたちは左翼。目の前には回収部隊。とりあえず、回収は阻止だ。


 その前に現れる敵。また、同じ物量作戦しかないよね。相手に有利なのは人数だから。

 そう思うわたしたちの前には、一人の小柄な男が立っているだけ。

 中央にも1人。

 右翼にも1人。


 7人相手に3人しか出ていない。


 それと右翼の人。あれは正憲…

 一人で美那子先輩と愛梨先輩に対峙する。無理だろ。正憲じゃ。殺されちゃうよ。

 わたしは正憲の心配をしながら、わたしたちの前に立ちふさがる敵を睨む。


 小柄なマントの男。たった一人で私たち2人を相手にしようっていうの?

 舐めるな!


 とりあえず、相手の様子を見る。体術で攻撃する。パンチやキックを繰り出すが、空気を相手にしているような感じ。

 春香も円月輪を両手に持って戦うけど、同じ。鋭い刃である円月輪は相手のマントに傷さえつけられない。

 こいつ、強い。やばいくらいに。わたしと春香の攻撃が軽くあしらわれるなんて…


 わたしたちの能力は体術じゃない。魔法と宝具の力だ。ただの格闘家じゃ。相手にならない。


 わたしは、光球を召喚する。その途端、相手も本気を出す。

 春香の攻撃を避けながら、魔獣の召喚をする。

 男が手を出したその先に、赤い着物を、まとって長い棒を持った猿が姿を現した。



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