14 愛梨先輩参戦
「愛梨さん」
現BLACK★WITCHESリーダーの愛梨さんがわたしたちの後ろに立っていた。
元LOVE★WITCHESバラエティユニット。わたしの直属の先輩.
LOVE★WITCHESのボケ担当。その地位は今はわたしが受け継いでいるらしいけど。
戦いでは宝具である大金槌を扱う壊し屋。
「美月。こんなの秒殺って教えただろっ」
いや、教えてもらってない。戦いなんて一切。
ダンスは教えてもらったけど。なんか違うんだよな。こーやってこーやるんだよみたいな感じだったし。
まあ、出来るまで見てくれるところが面倒見がよかったけど。
でも、わけわかんないけど、こくんこくんって顔を縦に振る。
愛梨さんの代わりにLOVE★WITCHESとなった春香もその迫力に開いた口がふさがらないみたい。
「こうやるんだよ」
愛梨さんは大金槌を振り回す。振り回せば振り回すほど、重くなり攻撃力が上がるっていう宝具。
でも、愛梨さん以外に扱える人はいないと思う。
前に持たしてもらったけど、持ちあげるだけで精一杯振り回すなんて無理。
「春香。飛んで」
やばい。まさか。
愛梨さんは地面に大金槌を叩きつける。
地震みたいな地響き。それだけじゃない。地割れが起こる。
わたしたちは対空時間の長いジャンプをしてその衝撃を避ける。
ネズミたちはその衝撃にみんなお腹を見せて気絶している。
あいかわらず何も考えない攻撃。うまく避けないとわたしたちもダメージを負っていたかも。
「こうやって、ひとつづつ潰していけばいいんだろ」
気絶したネズミの一匹を踏みつける。
ネズミたちは一瞬で全部消え去る。
もしかして、今のがボスだったの?
「ほら、秒殺だろ」
「愛梨先輩。ボスがわかってたんですか?」
春香がしなくてもいい質問をする。
「ああ、ピンときたっていうか。まあ、わたしぐらいになるとわかるんだよ」
絶対、適当なこと言ってる。たぶん、全部踏み潰すつもりだったんだ。
「すごいです。さすがに先輩です」
春香。間に受けたな。絶対、この先輩は何も考えてないんだって。考えたら熱がでるって体質なんだって。
「じゃあ、いくぜ」
あとは小人たちと巨大オークだけ。
わたしたちの前を走る愛梨先輩。逃げ惑うリリパットを片っ端から叩いていく。
まるでモグラたたき。
春香はオークに円月輪を投げる。わたしも黒い球を中心に光球で攻撃をする。
愛梨先輩の適当な攻撃がボスに当たったのか。小人たちも粒子となって消えてしまう。
それと同時に春香の円月輪がオークのコアを捉え、巨大なオークも粒子となって消え去った。