12 部隊VSLOVE★WITCHES(01)
今度はこっちのターン。うっとおしいのから確実に倒していく。
「美月っ。雷!」
「ラジャ」
わたしはゴーストの上に黄色い光球をコントロールする。
その光球から雷がゴーストに落ちる。
雷神を召喚した場合と違って弱い雷。でもこれだけで十分。
全体的に光るゴーストの中に一箇所の黒い部分が一瞬浮き出る。
わたしが見る必要もない。春香が雷が当たった瞬間に円月輪を投げている。
その円月輪はその黒い部分、コアを正確に真っ二つにする。
ゴーストはその攻撃で砕け散る。
その間に襲いかかる狼を残りの光球が貫く。たぶんゴーストを倒されたのに気をとられたのか隙だらけだ。
狼の魔獣も砕け散る。
虎の魔獣も襲いかかるが、すんでのところで引き下がる。やっぱ普通の敵と違う。
もし襲いかかってたら、戻ってきた円月輪の餌食だったのに。
蜂と虎は体勢を整える。でも、わたしたちの攻撃は終わっていない。
今度は春香が先に仕掛ける。円月輪を空に向かって投げる。でも、簡単に避ける巨大蜂。
大きいわりに動きが速い。わたしも光球を蜂のまわりに展開する。でもまだ待機。
虎は、さっきの攻撃を見ているからうかつに踏み込めないって感じ。わたしたちの隙を虎視眈々とうかがうだけ。
とりあえず青い光球を蜂にぶつける。
避ける蜂。でも、青い球はね。優菜には全然およばないけど、氷の魔法を使えるんだよ。
わたしも大体の光球の力を把握していた。契約とかまだのものが多いけど、赤は火、青は氷、緑は風、黄色は雷、黒は物理攻撃、金は光の魔法を持つ。でも、その魔法は非常に弱い。まあ、春香には虚仮威しって言われてんだけどね。召喚は自分でコントロールできないし、コントロール出来る範囲ではLOVE★WITCHES最弱っていわれる所以だ。
これで十分。ゴキブリを凍らせて動きを止めるってスプレーってあるじゃん。一瞬だけ動きを止められたら十分。
ブーメランのように戻ってくる円月輪が触覚を切り落とす。狙いはここ。たぶん、これで自由に動けないはず。
焦った虎の魔獣使いが、わたしたちに虎をけしかける。わたしの光球たちが虎の身体を貫く。
そんなに焦ってたら、当てるのは簡単。必殺、8個も光球があったらひとつくらい核に当たるだろ攻撃。
眉間を貫いたのが正解だったみたい、虎は粒子となって消える。
あとはフラフラと飛んでいる蜂。春香の円月輪がまとまって1つになる。フラフープくらいの大きさ。
春香の円月輪は宝具。いろいろと形をかえる。
「やだ、虫なんて斬らないでよ」
「うるさい」
そして性格が悪い。円月輪が投げられて、蜂の頭を飛ばす。
巨大蜂は地上に落ち、粒子となって消える。
戻ってくる円月輪を春香が掴む。
わたしと春香は手を挙げ、手の平をお互いにぶつける。
パチンという音。作戦成功の合図だ。
でも、これで終わりではない。
次は栞。栞は理解不能の能力を持つ。魔法じゃない幻術という能力。どういう能力かって聞いても本人も首をかしげるだけ。
かなりチートな能力なのに、それが苦しめられるってどういう魔獣なの。
わたしたちは栞に向けてダッシュする。
栞のところに行き着くと、栞は無数のネズミの魔獣に囲まれていた。