06 作戦会議(1)
「あの魔獣王が復活した?奇岩島に卑弥香社長が完全に封印したはずなのに」
「ええ…何らかの方法を使ってね」
LOVE★WITCHESリーダーの美那子の問いに参謀の安城が答える。
「それじゃあ。すぐに追いかけないと。またあの魔獣戦争が起きるよ」
「もう遅いわ。あの魔王城に向かったみたいよ。追いかけるのは危険よ」
「じゃあ、守りを固めないとね。睦美、麻衣、沙耶香たのむよ」
LOVE★WITCHES本部では、幹部による緊急会議が開かれている。
遅れて胡桃や優菜も駆けつける。
「これで全員?」
「美月と春香がまだです」
「また美月か…」
美那子はため息をつく。遅刻は美月の専売特許。それに話を聞いてない。携帯には出ない。
LOVE★WITCHES最大の問題児をリーダーは思い浮かべる。
しかし、天性のラッキーガールっていうか、なんとなくLOVE★WITCHESの危機を救ってきたのも彼女だ。
何があってもどうにかしてくれるって期待感。
将来のリーダーとしての素質を感じている。だから、厳しく鍛えてるのに、ぜんぜん直らない。
「まあ、美月には美月の仕事があるから…
とりあえず、また戦争になる恐れがあるから、みんなには応援を募ってもらう。
麻衣は睦美と北都に飛んでもらう。
あの機械部隊の応援を取り付けてほしい」
「はいっ。わかりました」
麻衣は微笑む。
「それから、真奈美は日向忍軍の応援をとりつけて」
「はい!」
真奈美先輩は元気に返事をする。
「沙織は、結花さんとミイナの協力をたのむ」
静かに微笑む沙織さん。
「沙耶香は西にまどか先輩を探しに行ってくれる?」
「わかったよ」
「あとは、手分けして東都の警備。
あいつらゲリラ戦が得意だから」
『『はいっ』』
美那子は的確に指示を飛ばしていく。
「じゃあ、俺は魔王城とかいうところに行けばいいんだな。
いっちょ。魔獣王とかいうやつをぶっ飛ばしてくるぜ」
「あんた。いつの間に…」
入口の側にはDEEPh★GREENの大和が腕を組んで立っている。
「いやあ、ちょっとおもしろい話が聞こえたもんで…」
「魔獣城って、あんたひとりでどうこうできるもんじゃないの」
「ひとりじゃないぜ。青龍も白虎も玄武もいる。
朱雀もいっしょにどうだ?」
「いまの朱雀は美月でしょ」
沙耶香はそっけなく言う。
「まあ、任しとっけって」
「あなたたちは待機よ。
勝手なことしないでね」
「えーっ。せっかく暴れられるとおもったのによー。
なあ、白虎。魔王とかぶっ飛ばしたいよな」
「大和さんらしいですね。しかし、ここは彼女たちに従いましょう」
「でもさ。また、俺ら出番なしとかにならないよな」
不満そうな大和を白虎がなだめる。
「じゃあ、いつでも言ってくれ。魔王なんてぶん殴ってやるからな」
大和は後ろ向きで手をひらひらと振り、会議室から出て行った。