37 エピローグ
「やっぱ、これ美味いね」
3段重ねのハンバーガーにかぶりつくミイナ。
食堂のテーブルの上には、大量のジャンクフード。
緊張感のない7人がテーブルを囲んでいる。
この7人の後始末には、安城さんと卑弥香社長が走り回った。
第一にこんなチート魔女たちを拘留する刑務所なんてない。
それより、東都の武力として取り込んだほうがいいってことを主張した。
それで、軍部が彼女たちを取り込もうとしたけど…3日で断念。
軍部ではコントロール不能ってことで、LOVE★WITCHESに返されることになった。
魔女ミイナは、沙織さんの言うことなら聞く。
それが、北の魔女の掟らしい。
力がすべての世界。戦争に負けたほうが勝ったほうに服従する。
「美月先輩!」
わたしが胡桃とその場を通りかかると、全員が立ち上がる。
彼女たちは、わたしにも最大限の敬意を示す。
それは、わたしの涙がミイナを石から元に戻したから…
本当は美那子先輩がわたしの涙を少し取っておいてくれたからなんだけど…
まあ、このまま遊ばしておくわけにはいかないから、新しいユニットとしてデビューさせる予定なんだけど…
彼女たちの身体能力からしてダンスの才能はあるし、特にリディアさんの歌声はわたしたちにないすごい迫力を持つ。
いろいろなことはできないけど、激しいリズム中心のユニットになりそう。
彼女たちも、歌とダンスは気に入ったみたいだし…
「そろそろ、練習だよ。スタジオに集まってね」
わたしは、手を叩きながら、彼女たちに話しかける。
「はいっ!」
机の上を片付けて、練習場に向かう彼女たち…
彼女たちの練習はLOVE★WITCHESに任せられている。
特に、胡桃とわたしが中心となってプログラムを組んでいる。
わたしたちにも後進の指導をさせるっていう美那子先輩の考え。
それと、わたしか沙織先輩がいないと、言うことを聞かないってこともある。
真奈美先輩が指導したとき、あまりにも言うことを聞かないから、真奈美先輩がマジギレなんてこともあって…
まあ、いろいろあったけど、基本的にはいい子たちなんだけどね。
「あっ、そこ、違うよ」
一人だけあってない。
わたしは、ルレイアの前でダンスを教える。
わたしたちを教える先輩たちも同じ苦労をしているんだな。
胡桃もリディアの前に行って、身体の動きを指導する。
「もう一度やるよ」
音楽がスタートして、彼女たちの躍動的なダンスが再開した。
わたしは、それをみて目を細めた。
第8話 北の魔女ミイナ 了