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LOVE★WITCHES (魔女アイドルグループの物語)  作者: PYON
第8部 北の魔女ミイナ
262/344

31 栞vsリディア(1)

 優菜が踏み潰される!


 その瞬間…

 ゴーレムの動きは止まる。


 もう、勝負は決まったから、じわじわとなぶり殺そうっていうの?

 

 でも優菜の目を見るとそうじゃない。

 勝利を確信した目。


 それに比べて、メディアの方に焦りが見える。

 必死でゴーレムを動かそうとする。


「無理よ。凍らせたから。

 周りの空気には、水蒸気が含まれてるの。

 それをまとわりつかせて、関節を凍らせたの」


 メディアにそう言って足を掴んでいるゴーレムの手を砕いて立ち上がる優菜。


 優菜はゆっくりと歩いて、止まったゴーレムを擦りぬける。


 メディアは後ろに下がる。

 それを一瞬で距離を詰める優菜。


 後ろに振りかぶった手でメディアに掌底をぶちかます。


 体術…

 それもだけど、優菜の攻撃はそれだけじゃない。


 優菜の掌底が当てられた部分から、メディアは凍っていく。


 動きが止まるメディア。

 そのメディアを優菜の力が氷像へと変えた。


 ゆっくりと優菜はLOVE★WITCHESサイドに戻ってくる。

 余裕の表情で、栞にタッチする。


 栞は元気にハイタッチをして、中央に進み出る。


 次はLOVE★WITCHESの誇る幻術士、鞍馬栞。

 魔法とは違う力を使う。

 古来から伝わる幻術って力。

 何をやるかわたしらでも読めない。

 LOVE★WITCHESの不思議ちゃんだ。

 でも、実力は折り紙つき。

 こういう時はいちばんたよりになる味方だ。


 後ろで手を組んで、ぼーっと立って敵が来るのを待つ。


 相手は、たぶんあの6本の手、もしくは装甲魔獣。

 どっちが来ても簡単な敵ではない。

 でも、栞にはどうにかしてくれるって期待をしてしまう。


 予想に反して、前に出てきたのは。

 眼帯の副官…

 

「もう、お遊びは終わり。

 時間もないしね。あなた方の強さはわかりました。

 ますます、配下に欲しくなりました。

 これで、ミイナ様は序列一位の魔女になれます。

 確認しますね。本当にひとりでも負けたら、配下になってくれるんですよね」


「LOVE★WITCHESに二言はない」

 卑弥香社長はそう断言する。


 あと二人。でも、相手はリーダーを3人も倒したあの副官。


 でも、栞にそんな緊張感はない。

 大きな瞳でじっとリディアを見上げて微笑む。

 この子の考えてること、あたしらでもわからない。


 いきなりふわっと飛び上がって、攻撃を仕掛ける。

 栞の動きは独特。

 まるで、体重がなくなったかのようにふわりと舞い上がる。

 敵の武器の上に乗ったりもする。

 栞は仙人に育てられたっていうから、空を飛べるのかもって思ってしまう。


 たぶん、相手もこんな動きはみたことはない。

 それに、栞の体術は相手の力を利用する。

 わたしも戦ったことあるけど、こっちの攻撃はすべて空回りしてしまう。

 美那子先輩でも、引き分けがせいぜいだ。


 でも、リディアは反応する。

 くるくると変幻自在な栞の攻撃をすべてよける。

 その合間に手刀で栞を攻撃する。

 

 栞もそれを受け流す。

 まるで風のように相手の攻撃を無にしてしまう。


「小さいけどやるわね。

 でも、わたしの敵じゃない」

 リディアは手の平を突き出す。

 あのリーダーたちを倒した発勁の構え。

 触れてしまえば、弾き飛ばされる。


 栞は、たぶん大丈夫。

 攻撃を避けるのは、LOVE★WITCHESいち。

 栞はその手はくわない。


 でも、リディアはあのゆっくりした動きで、栞の後ろにまわり、その手の平を背中に押し付けた。

 そのまま、栞は吹っ飛ばされ、何回も回転して倒れ込んだ。



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