27 真奈美vsルレイア(1)
希美の攻撃を受けたライアは膝をつく。
希美も宙返りをして、距離を取る。
「わたしの負けだ。小さき剣士よ」
ライアが敗北宣言をする。
希美は、小さく礼をする。
1回戦はとりあえずLOVE★WITCHESの勝ち。
麻衣さんが言ってた、希美は天才だって。
それも成長途中の…
いずれ麻衣さんを超えるって嬉しそうに。
確かに、戦うたんびに強くなる。戦いの中で成長しているのがわかる。
希美は、くるっと回って戻ってくる。
そして、真奈美さんにハイタッチする。
それを受けて、真奈美先輩が前に出る。
忍者出身の真奈美先輩。この人も最強。身軽なだけじゃなくて、あらゆる暗殺技を身につけている。
絶対に敵に回せない人だ。
それに、リーダーたちやわたしたちがやられて、やばいくらいに怒っている。
敵に同情したいくらいだ。
相手は、針使いルレイア。
気だるそうに前に進んでくる。
相性は抜群だ。針なんて真奈美先輩には通用しない。
「闇針のルレイア。あなたは」
仮面を外して、後ろに投げる。
パーカーのような黒いマントから覗く風貌は思ったより幼い顔をした少女。
「日向流忍者。日向真奈美。
かったるいから、早く片付けるぜ」
親友の麻衣さんを石にされて、怒り心頭な表情。
でも、真奈美さんは絶対熱くなったりはしない。
冷静に仕事を遂行する仕事人だ。
「ふうん。まあ、軽く相手してあげるわ。
毒針抜きでね。あなたの身体を針山にしてあげる」
いつのまにか指の間に3本の針を挟んでいる。
それを真奈美先輩に見せつける。
その瞬間、指の間の針が消える。
いつ投げたかわかんないような動きで針を投げたルレイア。
真奈美先輩を3本の針が襲う。
でも、そういうのは真奈美先輩には効かない。
針は真奈美先輩の身体をすり抜けてしまう。
これがミスティボディ日向真奈美だ。
どんな攻撃も先輩には効かない。
すべての物理攻撃はすり抜けてしまう。
「へーぇ。そうなんだ。ふーん」
まじまじと真奈美先輩を見る。
「でも、気配でわかるよ。そんなに殺気をただよわせてたらね」
ルレイアは、あらぬ方向に針を投げる。
その針は、なぜか空中ではじかれ地面に落ちた。